弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

ワーファリン,インスリン,抗血小板剤,経口血糖降下剤の過量投与による高齢者の緊急入院

薬害オンブズパースン会議は,薬の副作用が原因の高齢者入院は,ワーファリン,インスリン,抗血小板剤,経口血糖降下剤の過量投与という米国の報告を紹介しています.

薬害オンブズパースン会議「副作用が原因の高齢者入院は、その3分の2は過量投与が原因であり、原因薬の67%を抗凝固剤と糖尿病治療剤等4種類の繁用薬が占めていた」ご参照


Daniel S et.al;Emergency Hospitalizations for Adverse Drug Events in Older Americans.N Eng J Med.365,2002-2012(2011)の内容は,以下のとおりです.

米国では,65歳以上の高齢者の救急入院の1.5%が薬の副作用によるものです.
その約半数は80歳以上の高齢者でした.

約3分の2は,故意でない薬の過量服用が原因でした.
原因となった薬剤は,ワーファリン(33.3%),インスリン(13.9%),抗血小板剤(13.3%),経口血糖降下剤(10.7%)でした.
なお,高齢者に不適切とされる薬による入院は6.6%であり,その半数以上はジゴキシンによるものでした.


ワーファリン,インスリン,抗血小板剤,経口血糖降下剤は,よく使われている薬ですが,高齢者では,モニターを行い,その量をコントロールすることが緊急入院を減らすらめに重要なことが示されました.

谷直樹
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by medical-law | 2012-04-30 00:42 | 医療