新潟県立小出病院,「内視鏡検査結果の誤説明」について
新潟県立小出病院の「「内視鏡検査結果の誤説明」について」は,以下のとおりです.
「1 患 者 魚沼市内の60歳代の男性
2 経 過
(1) 平成18年6月、胃検診で異常があったため、当院で内視鏡検査を実施。がん細胞は認められなかったが要経過観察となる。
(2) 平成19年5月、内視鏡検査を実施したところ、早期食道がんの診断であったが、担当医師が誤って前回(平成18年6月)の検査結果を説明したため、その後治療がなされなかった。
(3) 平成23年12月、飲み込みづらさを訴え受診。検査の結果、進行食道がんと診断。
(4) 平成24年3月、他院にて食道がんの手術実施。
3 事故の原因
平成19年5月の説明時に、担当医師による検査結果報告書の日付確認が不十分だったため、誤って平成18年6月の検査結果を説明してしまった。
誤った説明により、要経過観察と同じ状態となったが、その後再検査を実施したかどうかの追跡調査を行っていなかった。
4 再発防止策
(1) 検査結果報告書の患者説明日欄、医師サイン欄への記入徹底。同報告書に、説明日と主治医のサインが記入してあることを検査担当医師が確認をする。
(2) 悪性が疑われるケースの再検査は、該当する患者さんが来院し、再検査を実施したかどうかを確認する。来院していない場合は、受診を勧める。」
このような検査記録のとりちがえミスについてもときどき相談があります.
NST新潟総合テレビ「小出病院で医療事故 検査結果取り違えがん進行」(2012年6月8日) は,次のとおり報じています.
「県立小出病院は8日に会見を開き、魚沼市に住む60代の男性患者に内視鏡の検査結果を誤って説明し、適切な治療をせず食道がんが進行する医療事故があったと発表しました。小出病院によりますと、この男性患者は2006年6月に胃の検診で異常があったため小出病院で内視鏡の検査を受けましたが、がん細胞は見つからず、2007年5月の再検査で早期の食道がんが見つかりましたが、担当の内科医は誤って前の年の異常はないという検査結果を男性に伝えたため治療は行われなかったということです。そして2011年12月に男性が3回目の検査を受けたところ進行していた食道がんが発見されました。男性は今年3月に他の病院で手術を受け、次第に回復しているということです。小出病院ではこの男性患者に謝罪し、補償について話し合うことにしています。」
谷直樹
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