弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

グラクソ・スミスクライン,パキシルなどの不正な販売,アバンディアのデータ隠蔽で30億ドル

グラクソ・スミスクラインは, 抗うつ薬パキシルPaxilとウェルブトリンWellbutrinをFDAが承認していない未成年への使用などを宣伝していました。
グラクソ・スミスクラインは,かつて一世を風靡した糖尿病治療薬アバンディアAvandia(現在は販売中止)について,一部のデータをFDAに報告せず,安全性や効能に関して実証されていない内容を宣伝していました.
そこで,罰金など30億ドルを支払うことになりました.

CNN「英グラクソ、医薬品の不正販売巡り30億ドルの支払いへ」(2012年7月4日)は,次のとおり報じています.

 
「英製薬大手グラクソ・スミスクラインが医薬品を不正に販売したなどとされる問題で、米司法省は2日、同社が計30億ドル(約2400億円)の罰金などを支払うことで合意したと発表した。

製薬会社が支払う金額では過去最大となる。内訳は刑事上の罰金が10億ドル、民事関連の支払いが20億ドル。

司法省は、同社が成人用の抗うつ剤「パキシル」を子ども向けに、抗うつ剤の「ウェルバトリン」を減量の補助薬として販売したと主張。2001~07年に糖尿病治療薬「アバンディア」の安全性に関するデータも米食品医薬品局(FDA)に提出していなかったと指摘していた。

同社は罰金などの支払いに加え、米保健省との間で5年間のコンプライアンス(法令順守)に関する合意を結んだ。同省によると、経営陣は本人や部下に重大な違法行為があった場合ボーナスを失い、販売担当者の給与は売り上げ目標でなくサービスの質を基礎に決定することなどが内容となっている。

アンドリュー・ウィッティ最高経営責任者(CEO)は声明で、「われわれは失敗から教訓を得た」と強調した。」 


谷直樹

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by medical-law | 2012-07-04 02:20 | コンプライアンス