もやもや病の海外小児患者,直接的血行再建術を受け,無事退院
「脳の血管が細くなる原因不明の難病・『もやもや病』。
この病気で苦しんでいるデンマークの女の子が富山大学附属病院で手術を受け、3日退院を迎えました。
海外の『もやもや病』の患者を受け入れ、治療をおこなったのは県内では初めてです。
デンマーク人の女の子・ヴィクトリアちゃん5歳は、2009年にもやもや病と診断され、専門家として知られる黒田敏医師の治療を受けるため、今年6月、富山大学附属病院に入院しました。
その後、脳内の血管同士をつなげて血液の流れを増やす手術を2度にわたって受け、結果、症状に改善が見られたことから3日退院を迎えました。
担当医や看護師に見守られながら退院したヴィクトリアちゃんは「早く母国の友達に会いたい。乗馬や水泳で遊びたい」と話していました。
ヴィクトリアちゃんはしばらく県内で療養したのちデンマークに帰国するということです。
この『もやもや病』、アーティストの徳永英明さんも発症したことで知られていますが、どんな病気なのでしょうか。
もやもや病とは脳の血管が細くなり、血液の流れが悪くなる病気で、なんとか脳に血液を送ろうと無数の血管が網目のように出て、煙のようにモヤモヤして見えることから名前がつきました。
頭痛やけいれん、脱力発作、脳梗塞などを引き起こすといわれ、厚労省は難治性特定疾患、いわゆる『難病』に認定しています。
なぜ今回、ヴィクトリアちゃんが富山で治療を受けたかなんですが、この病気、実はアジア人に多く、欧米で発症するのはきわめてまれなんです。
このため日本での研究が世界をリードしているということなんですね。」
北日本放送「難病のデンマーク女児無事退院」 (2012年8月3日)は,次のとおり報じています.
「脳の病気、「もやもや病」の手術を富山大学附属病院でうけたデンマーク在住の5歳の女の子が、3日無事に退院しました。
富山大学附属病院が海外から治療の依頼を受けたのは今回が初めてです。
デンマーク人の女の子「ヴィクトリア」ちゃん(5)は、脳の病気「もやもや病」の手術を受けるため6月25日から富山大学附属病院に入院していましたが、手術後の経過がよく、3日退院となりました。
「もやもや病」は、脳の太い血管にうまく血液が流れなくなり、頭痛や体のマヒといった症状が出る病気です。
太い血管の血流を補おうと、異常に発達した細い血管が脳を撮影すると「もや」のように写ることから名づけられました。
病院側が3日開いた会見によると、ヴィクトリアちゃんはドイツのベルリンで脳に流れる血をふやす手術を受けていましたが、手術後も発作がおさまらず、追加の手術を受けるため富山にきていました。
およそ200例のもやもや病の執刀経験を持つ黒田敏脳神経外科診療課長は会見で、「手術を追加することでどこまで症状がよくなるか当初少し不安はあったが考えたとおりの経過で安心している」と話しました。
術後、ヴィクトリアちゃんは頭痛や手足のマヒが減って笑顔が多くなり、活発に動くようになったということです。
両親、きょうだいと一緒に医師らに見送られたヴィクトリアちゃんは、「デンマークに戻ったら幼稚園で友達と遊んだり、乗馬や水泳をしたい」と話していました。
ヴィクトリアちゃんはしばらく富山市内で療養を続け、今月下旬にデンマークに戻る予定だということです。
富山大学附属病院が海外から治療の依頼を受け取り組んだのは今回が初めてです。」
共同通信「難病の5歳女児、富山大を退院 デンマークから治療で来日」(2012年8月3日)は,次のとおり報じています.
「富山大病院(富山市)の黒田敏医師(脳神経外科)らが、脳の血管が細くなる難病「モヤモヤ病」を患ったデンマークの5歳女児の手術に成功した。3日に退院した女児は「帰ったら、幼稚園で友達と会いたい。大好きな乗馬や水泳をするのが楽しみ」と笑顔を見せた。
モヤモヤ病は脳の血管が細くなり血流が行き届かず、頭痛や手足の脱力発作を起こす。女児はビクトリアちゃんで、3歳のころに脳梗塞を2度発症し、右半身の脱力発作が現れた。ドイツでの手術後も発作が続いたため、約200回の手術経験がある黒田医師を頼って6月に来日した。」
よかったですね.
デンマークではなく,優れた専門家医師のいる日本の病院で治療したことが,このような良い結果につながったと思います.
患者が少数の難病患者は,それを的確に治療できる医師が少ないので,優れた専門家医師のいる病院を紹介することが重要です.
谷直樹
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