弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日本肝臓病患者団体協議会の調査,歯科医院で診療拒否など差別が約30%,15年前より増加

NHK「肝炎患者の約3割に差別経験」(2012年8月23日)は,次のとおり報じています.

「患者や感染者の数が300万以上とされるウイルス性肝炎の患者のおよそ3割が、感染を恐れて医師に診察を拒否されるなど何らかの差別を受けたことがあるという調査結果がまとまりました。

この調査は、肝炎の患者団体、日本肝臓病患者団体協議会が行い、およそ2000人の患者が回答しました。
この中で、肝炎に感染していることで差別された経験があるかと尋ねたところ、「ある」と答えた患者は29%に上りました。
差別を受けたと感じた場所について複数回答で尋ねたところ、「病院」が最も多く48%、「職場」が15%、「家庭」が9%となっています。
具体的には、歯科医院で診療を拒否されたケースが多く、このほか、病院で、ほかの患者と待合室で一緒にいないよう言われたり、職場で同僚に「うつさないで」などと心ない言葉をかけられたケースなどが報告されています。
ウイルス性肝炎は、血液や体液を通じて感染しますが、通常の日常生活では感染の危険はありません。
日本肝臓病患者団体協議会は、「15年前に行った同様の調査と比較すると、差別された経験がある人の割合が大きく増えている。肝炎の問題が知られる一方、正しい知識が広まってなく、差別や偏見が助長されている」と話しています。」


差別された経験がある人の割合が大きく増えているというのは問題です.
肝炎に対する偏見や差別を「見ざる・聞かざる・言わざる」というキャンペーンが行われていますが,それより,正しい知識を知るほうが,偏見,差別の解消に有効なのではないか,と思います.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-24 01:24 | 医療