弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

薬害根絶デー

昨日(8月24日)は,薬害根絶デーでした.
全国薬害被害者団体連絡協議会のサイトに,「文部科学省への要望書(2012)」と「厚生労働省への要望書(2012)」が掲載されています.

「厚生労働省への要望書」は以下のとおりです.

1、薬害イレッサの全面解決について
薬害イレッサ訴訟に関しては東京と大阪の高等裁判所によって極めて不当な判決が出されたと認識しています。国は、すみやかに全面解決に向けた取り組みを開始してください。
また、いわゆる「下書き問題」に関しては、二度とこのようなことのないように、徹底検証の上で再発防止に努めてください。

2、薬事法改正を含む再発防止策等の早期実現について
「薬害肝炎の検証及び再発防止のための医薬品行政のあり方検討会」の提言を受け、「厚生科学審議会医薬品等制度改正特別部会」において薬事法改正に向けてのとりまとめが示されました。これらの経緯を踏まえ、特に以下の施策を速やかに実現してください。
・薬事行政の第三者による監視組織の設置法を厚生労働省として国会に提出してください。
・あらためて添付文書を承認事項とする法改正を検討し、添付文書に関する国の責任を明確化してください。
・薬害研究資料館の設置については速やかに具体的準備に着手してください。

3、一般用医薬品の販売方法について
一般用医薬品の販売方法に関しては、改正薬事法の趣旨を踏まえ、リスク分類に応じた
専門家の介在を徹底してください。また、経過措置によって継続されている配置販売薬に
ついては経過措置を見直して、確実に専門家が配置に関与できる体制整備をおこなってく
ださい。

4、医師・薬剤師国家試験における薬害に関する出題について
薬学・医学教育のモデル・コアカリキュラムにも薬害が盛り込まれ、薬害教育の重要性に対する認識が深まっています。つきましては、医師・薬剤師国家試験における薬害に関する出題を強化充実してください。また、最近の出題における薬害関連問題を教えてください。

5、陣痛促進剤のリスク情報の周知徹底について
陣痛促進剤(子宮収縮剤)の副作用による産科医療事故が後を絶ちません。再三要望しているとおり、母子健康手帳や母親教室のテキストに陣痛促進剤のリスク説明の記載を早急に実現してください。また、PMDAのホームページに出産時によく使用される医薬品の添付文書へのリンクをまとめたページを作成し、そのアドレスを母子健康手帳に記載して下さい。また、学会等のガイドラインにおいて陣痛促進剤の適正使用の記載が十分なされるよう働きかけてください。

6、医薬品副作用被害救済制度の充実について
抗がん剤等による健康被害の救済に関する検討会が抗がん剤副作用の救済制度の導入を見送ったことは大変遺憾なことだと認識しています。検討会は、「政府は引き続き実現可能性について検討を続けるべき」としており、制度導入を検討するための基礎データの収集・分析に着手してください。また、胎児救済についての検討を開始してください。」



第14回薬害根絶フォーラムは,2012年11月24日土曜日13時から17時,広島大学医学部・階段状講義室で開かれます.

谷直樹

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by medical-law | 2012-08-25 01:50 | 医療