前橋地裁平成24年8月31日判決,アスピリン喘息の可能性ある患者のロキソニン服用後死亡事案で請求棄却報道
「○○診療所で歯の治療を受けた後、10年1月に死亡した男性(当時53歳)の遺族が同医師会を相手取り計約6870万円の損害賠償を求めた訴訟で、前橋地裁(西口元裁判長)は31日、原告の訴えを棄却した。
判決によると、男性は非ステロイド性抗炎症薬の投与によって誘発される気管支喘息(ぜんそく)「アスピリン喘息」を患っている可能性があった。患者への解熱鎮痛薬ロキソニンの投与は禁じられているが、同診療所で治療後、処方されたロキソニンなどを服用。間もなく心肺停止状態になり21日後に死亡した。
判決で西口裁判長は、(1)男性はそれまでアスピリン喘息と診断されたことがない(2)以前、非ステロイド性抗炎症薬を処方され服用したと思われるが異常はなかったことから、ロキソニン投与によって重い発作を引き起こすことは予見できなかったとして、担当医師の過失を認めず、男性の死亡との因果関係も認められないと判断した。【塩田彩】」
その患者の喘息がアスピリン喘息ではないと確定的に診断できない以上ロキソニンを投与してはならない注意義務があるとした,福岡地裁平成6年12月26日判決(判時1552号99頁,判タ890号214頁)との関係は,どのように考えるべきなのでしょうか.
また,カルテに「薬による喘息発作の既往歴なし」との記載があったことから,アスピリン喘息の疑いは払拭されたと判断した医師の過失が認められた,広島高裁平成4年3月26日判決(判例タイムズ786号221頁)との関係は,どのように考えるべきなのでしょうか.
谷直樹
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