弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

2012年司法試験結果と予備試験のありかた

2012年司法試験法科大学院別合格者数と合格率は,以下のとおりでした.

中大    202人(41.3%)
東大     194人(51.2%)
慶應義塾大186人(53.6%)
早稲田大  155人(32.8%) 
京大      152人(54.3%)
明治大    82人(20.4%)     
一橋大    77人(57.0%)    
大阪大    74人(41.8%)  
神戸大    60人(45.8%)  
北海道大   54人(34.0%)  
(11位以下略)

そして,予備試験合格者は58人(68.2%)でした.

司法試験受験には法科大学院修了が本則とされていますが,例外的に,予備試験に合格すれば,法科大学院を修了しなくても,司法試験受験資格が与えられます.
予備試験合格者の合格率(68.2%)は,法科大学院修了者の平均合格率(24.6%)は勿論,最も合格率の高い一橋(57.0%)より高率でした.
本来,予備試験は,法科大学院修了程度の実力を有するか判定するものですから,法務省が予備試験を過度に難しくしすぎている,と言えるでしょう.

予備試験は,経済的事情等から法科大学院に進学できない者のために設けられたのですが,実際には大学法学部在学生,法科大学院在学生も相当数受験し,合格しています.
このことを理由に,予備試験の枠を狭める方向での議論もあり得るでしょう.
しかし,法科大学院制度が現状では社会経験を積んだ多様な法曹養成のために役だっていませんし,法科大学院制度のため年月と費用をかけたくない優秀な人材が,法科大学院を敬遠する傾向がでてきていることを考えると,むしろ予備試験こそを本道,本則とすべきと思います.つまり,司法試験の受験資格と法科大学院修了を切り離せばよいのです.

谷直樹

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by medical-law | 2012-09-13 09:28 | 司法