「手術中の光源コードの先端による熱傷」医療安全情報 No.70
「手術中、光源装置や手術用照明器を使用した際に、電源が入ったままの光源コードの先端を患者のサージカルドレープ(手術用覆布や手術用不織布など)の上に置いたことにより、熱傷を生じた事例が5件報告されている,とのことです.
「事 例 1
患者を右側臥位にし、左大腿骨骨切り術を開始した。術野を照らすために光源付き開創器を使用した。開創器使用後、光源と開創器との接続をはずし、光源コードをサージカルドレープの上に置いた。その後、しばらくして光源の電源を切っていないことに気がつき、電源を切った。手術終了後、サージカルドレープをはずしたところ、患者の右大腿内側に約1.5cmの熱傷が形成されていた。
事 例 2
経尿道的尿管結石砕石術の手術中、光源コードを一時的に取りはずした時に、光源コード
の電源が入ったままの状態でサージカルドレープの上に置いた。手術の終了後、患者の左
恥骨部に約2.5×2cmの熱傷と、使用したサージカルドレープが高温により焼けた痕跡を看護師が発見した。
事例が発生した医療機関の取り組み
・光源装置などを使用していない時は、光源コードの先端の光量に注意する。
・光源コードは、術野付近に置かない。
総合評価部会の意見
・強力な光を出射している光源コードの先端は高温になるため、可燃物の上に置くと燃えたり熱傷を生じたりするおそれがあります。使用しないときは消灯しましょう。」
光源コードの先端が高温になり熱傷を引き起こすという意識が薄いと,このような事故がおきます.使用しないときは消灯するのが確実です.
谷直樹
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