弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

日弁連,「パソコンの遠隔操作による脅迫メール事件等の取調べについての会長声明」

日本弁護士連合会(日弁連)は2012年10月19日,「パソコンの遠隔操作による脅迫メール事件等の取調べについての会長声明」を発表しました.

「これら事件では、逮捕・勾留手続の適否について今後十分に検証する必要があるが、加えて看過されてはならないのは、これらの事件のうち少なくとも男性2人の虚偽の自白調書が作成されていることである。報道によれば、供述調書には、ありもしない「動機」までが書かれているとのことである。全く身に覚えのない脅迫行為について自分がやったと認め、動機まで記載された調書が作成されているということは、捜査機関による違法または不適切な取調べがあったと考えざるを得ない。

今回は、たまたま真犯人が他にいることが明らかになったが、そうでなければ、これらは隠れたえん罪になっていたであろう。このことは、虚偽自白による隠れたえん罪が決してまれなものではなく、現在もえん罪が起こり続けていることを示している。

そして、こうした虚偽自白の原因は、弁護人の立会いが認められず、密室で行われる現在の取調べの構造的な在り方にあることは、当連合会がこれまで指摘してきたとおりである。

現在、法制審議会「新時代の刑事司法制度特別部会」で議論されている取調べの在り方についての改革、とりわけ取調べ全過程の録画・録音の制度化は当然のこととして、弁護人立会制度の導入の必要性が、本件によって一層明らかになったというべきであり、早急な法制化を強く求めるものである。」


現在も,密室のなかの自白強要でえん罪が作られていることがよくわかる事件です.

谷直樹

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by medical-law | 2012-10-24 02:27 | 弁護士会