弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

森口尚史氏のiPS治療問題に医療ジャーナリストがコメント

週プレNEWS 「iPS治療だけじゃない! 医療業界にはびこる“研究ロンダリング”の実態」(2012年10月24日)で,医療ジャーナリストがコメントしていました.

医療ジャーナリストで写真家の伊藤隼也氏は,次のとおりコメントしました.

「森口氏に問題があるのは言うまでもありませんが、メディアの報道姿勢もおかしい。そもそも騒動の発端は、彼の荒唐無稽な話を読売新聞が1面で大きく報道したこと。読売だけでなく、大手各紙が過去に彼の話だけを鵜呑みにして記事を書いてきた。今回もきちんと検証報道をしていれば、すぐに嘘だとわかるケース。そこをまず反省すべきだと思います」
「特任研究員というのはいわばパートタイマーのようなもので、組織や研究チームの責任者にとって都合のいい人物が任命されるケースもある。その結果として、彼のようにムチャクチャな人が医療研究の現場にはいくらでもいるんです」(
「大雑把に言うと、研究費を取得したいから。リスクを冒してまでデータの改竄や論文の捏造をするのは、実体以上に自分や組織の成果を大きく見せるため。そうすれば、しかるべきところからお金が落ちてきますから」


医療ジャーナリストで医学博士の森田豊氏は,次のとおりコメントしました.

「共同研究者と認めていて、組織のボスがその研究の中身を知らなかったというのはおかしい。仮に共同研究者および所属している研究チームが論文や学会発表を増やすためだけに名前を貸していただけだとすれば、無責任な話です。結局、研究の現場でも、その研究が正しいかどうか、間違った方向にいっていないか、信頼性に富んでいるかどうか、チェックする機能が働いていないということ。今の日本の研究現場システムを変えないかぎり、同じことが繰り返される可能性はあります」

ときどき報じられる論文データ捏造問題などには,このような土壌があるのですね.
なお,森口尚史氏は,イレッサ研究にも関与し,「業績」を残しているそうです.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-10-25 02:51 | 医療