SFC,ライフクラウドの時代がやってくる
個人が,医療機関におけるカルテ等のEHR(Electronic Health Record)と,医療機関以外のPHR(Personal Health Record)を管理する「マイカルテ構想」がテーマです.
患者自身が自分の医療情報,健康情報にアプローチできるようになると,患者が自分の健康状態,病状を正しく理解でき,より健康に気をつけ,また医療者との意思疎通の円滑になると思います.ただ,個人情報保護についての環境整備も必要ですし,患者の同意なく行政・医療機関を含め第三者が利用することを制限する法整備も必要でしょう.
伏見学氏が「医療情報は誰のもの?」で,パネルディスカッションでの発言を,以下のとおり,紹介しています.
◆ 坪田一男氏(慶應義塾大学医学部教授)の発言
「医療情報は原則としてその人自身のもの。しかしながら、それらの情報は病院や医療機関に存在する。本来ならばこうした状況はおかしいはずだ」
「医療情報が本人のものになり、簡単に情報へアクセスでき、経時的にデータを保管するような環境の整備が必要だ」
「現在の医療情報は病気の診断に用いられる結果情報からのアプローチに過ぎない。ヘルス情報を定常的に取得し、健康状態を把握することは予防医療の観点で重要だ」
◆ 黒岩祐治氏(神奈川県知事)の発言
「マイカルテ、すなわち、ICT(情報通信技術)を用いた診療情報の利活用によって、効率的な医療が行われているかどうかの検証が可能になる。高齢者はさまざまな病気を抱えていて、それぞれ治療方法が異なる。今までの診療情報がないと薬を選ぶ際にも無駄が生じ、個人の負担額が膨らんでいくばかりだ」
◆ 堀部政男氏(一橋大学名誉教授)の発言
「個人情報保護とデータ活用の両立が課題となっている。実現に向けて、法的整備や環境整備が必要になってくる」
「医療情報の活用を考えたとき、地方自治体は今まで個人情報保護について審議会や審査会で対応していたが、今後は第三者機関が対応していくべきだ。個人や医療関係者が自由にデータを利用できる上で第三者機関の役割は大きい」
谷直樹
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