一宮市の病院,医師と看護師の連絡不足のため7歳児が死亡した事案で和解(報道)
「愛知県一宮市立市民病院で2010年、脳出血で入院した市内の女児=当時(7つ)=が、医師と看護師の連絡不足から適切な治療を受けられずに死亡したとして、市が26日、損害賠償金4500万円を支払うことで遺族と合意したと発表した。
市によると、女児は同年9月、頭痛を訴えて病院へ搬送され、検査で脳出血が確認された。入院当初から体が部分的にけいれんし、主治医の指示で看護師が交代でけいれんを抑える薬を数時間おきに投与した。
入院翌日の夜、女児はけいれんが全身に広がったが、看護師は医師を呼ばず投薬を続け、人工呼吸や点滴など適切な措置をしなかった。入院3日目の早朝に女児は出血で脳が腫れ、死亡した。主治医は病院内にいなかったが、救急外来には別の医師がいた。
松浦昭雄副院長は取材に「全身けいれんが起きた場合、子どもの病状は大人より急速に悪化するという意識が低く、医師を呼ばなかった」と看護師の判断ミスを指摘。
医師についても「指示は薬の投与のみだった。子どもの容体は変化しやすいことを看護師に伝え、全身けいれんが起きたらすぐ医師を呼ぶよう指示すべきだった。深く反省している」と話した。」
報道の件は私が担当したものではありません.
部分けいれんでも長く続いたり,断続的に起きると要注意です.まして,全身けいれんに変化していたのですから,医師を呼びけいれんを止めるより強い薬剤を投与するなどの治療が必要だった事案でしょう.
本件は,典型的な連絡ミスの類型にあたると思います.
新日本法規「看護業務をめぐる法律相談」617頁ご参照.
谷直樹
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