小津安二郎監督の誕生日・命日
お若い方はご存じないかもしれませんが,『東京物語』,『麦秋』,『晩春』,『彼岸花』,『秋日和』,『秋刀魚の味』,『小早川家の秋』,『お早よう』など,日本映画を代表する名作です.完成度の高いこれら名作が朽ちることは無いでしょう.
「勇ちゃん,あんた,おおきゅうなったらなんになるのん.あんたもお父さんみたいにお医者さんか.あんたがのうお医者さんになるこらぁ,おばあちゃん,おるかのう・・・」
(中略)
「そうか いけんのかぁ」
「お母さん,68でしたね.」
「ああ・・・ そうか いけんのかぁ」
「ぼくはそう思います.」
「そうか・・・おしまいかのう・・・」
「では・・・」
(『東京物語』1953年)
長男の医師役の山村聰さんと熊本訛りの笠智衆さんの会話が,しんみりしますね.
チューリッヒ大学のAjdacic-Gross氏らは,誕生日では他の日に比べて死亡率が13.8%上昇していた,男女とも60歳以上でのみ誕生日での死亡率上昇(11~18%)が見られた(健康百科「死は誕生日を好んで訪れる? 他の日より死亡率14%上昇」)と報告しています.
小津安二郎監督は,1903年12月12日に生まれ,1963年12月12日に60歳の若さで逝去しました.
円覚寺にある小津安二郎監督の墓碑の「無」は,朽ちることが無いの「無」と私は解釈します.
谷直樹
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