弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

新宿クリニック博多院の,韓国の人への幹細胞投与問題(報道)

毎日新聞は,ソウルのバイオベンチャー「RNLバイオ」は,韓国では禁じられている幹細胞投与を希望する患者ら約3700人を,福岡市博多区の「新宿クリニック博多院」に紹介した,と報じました.韓国政府は事実関係を確認した上で「法令違反があれば、適切な措置を取る,とのことです.

毎日新聞「幹細胞投与:韓国政府がバイオ企業調査へ…現地紙報道」(2012年12月24日)は,RNLバイオ社の主張を次のとおり伝えています.

「R社は同紙(朝鮮日報)に対し「日本の医療機関への紹介は容疑なしとされた。無許可で医薬品を使用した点に関してのみ現在も捜査中だ」と説明。さらに「当時は幹細胞を韓国で培養したことが問題になった。今回は日本で培養しているため、韓国の薬事法には触れない」と話している。」

「R社は24日、▽自社の幹細胞治療剤は安全性が確認されており、有効性に関する確証試験中だ▽幹細胞の培養・投与は日本では禁止されていない▽韓国の医療法が禁じているのは「国内の病院へのあっせん、紹介」だけだ▽日本の病院に協力金を支払ってはいない−−などと主張する文書を発表した。」


しかし,博多院はR社側から協力金を受け取って投与していることを認めています.

博多院の榎並寿男医師は,「日本人は治療していない。韓国の人で勉強させてもらっている。医学の追究ですよ。利益なんてしれているが、山中先生は大した人ですけど(治療した人は)ゼロですが、僕なんか喜んだ患者をいっぱい診ている。副作用は考えていないが、長い意味で何年後にどうだと聞かれたらそこまでは分からない。」と述べています.

日本の法規制の甘さ(医療裁量の広さ)を衝かれた事件です.
規制を急ぐ必要があると思います.

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2012-12-25 01:16 | 医療