がん診療連携拠点病院の相談支援の現状とがん体験者による患者支援
がん診療連携拠点病院は,①専門的ながん医療の提供,②地域のがん診療の連携協力体制の構築,③がん患者に対する相談支援及び情報提供等を行います.
がん患者の相談にための部署が作られましたが,実際には他の部署との兼任スタッフが多く,広報活動も十分ではなく,患者がそのような相談部署があることを知らないことすら少なくありません.
毎日新聞「相談室、十分利用されず」(2012年12月31日)は,そのような現状のなか,千葉県がんセンターのがん体験者による患者支援の試みを紹介しています.
千葉県がんセンター患者相談支援室相談員の野田真由美さんは,次のとおり述べています.
「06年に当時のセンター長が「患者にしかできないことがある」として、がん体験者が悩みを聞くコーナーをがんセンター内に設けたのが始まりだった。病院が提供するサービスの一つでがん体験者による患者支援の試みとしてスタートした。」
「がん体験者には、患者と似た背景がある。もちろん経験は1人ずつ違う。しかし、体験者だと相談者の気持ちをよく理解してくれたり、説明しなくても通じたりすることがある。分かってもらえていると相談者が感じられれば、心の悩みなどを深く話すことができるようになると思う。また、先輩患者がいると、今後の治療や生活のイメージが持てる。」
がん診療連携拠点病院における医療は,単に診療だけを行えばよいというものではなく,患者・家族の心のケアも必要です.がん体験者による患者支援は,もっと注目されてよいと思います.
谷直樹
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