黒羽刑務所で,低血糖症状が改善されなかった受刑者が病院に搬送されるが死亡(報道)
「黒羽刑務所(大田原市寒井)は6日、70代の男性受刑者が死亡したと発表した。男性には循環器系などに疾患があり、投薬治療を受けていたという。
同刑務所によると、5日午後0時半ごろ、男性が食事を受け取らなかったため、職員が調べたところ、低血糖症状を確認。注射や点滴などをしたが症状が改善されないため同日夕に病院に搬送したが、6日未明に死亡が確認された。男性は4日午後に「気持ちが悪い」と申し出るまで、刑務所内の工場で働いていたという。」
刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律第39条は,次のとおり定めています.
「刑事施設の長は、受刑者が次の各号のいずれかに該当する場合には、速やかに、刑事施設の職員である医師等(医師又は歯科医師をいう。以下同じ。)による診療(栄養補給の処置を含む。以下同じ。)を行い、その他必要な医療上の措置を執るものとする。ただし、第一号に該当する場合において、その者の生命に危険が及び、又は他人にその疾病を感染させるおそれがないときは、その者の意思に反しない場合に限る。
一 負傷し、若しくは疾病にかかっているとき、又はこれらの疑いがあるとき。
二 飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき。
2 刑事施設の長は、前項に規定する場合において、傷病の種類又は程度等に応じ必要と認めるときは、刑事施設の職員でない医師等による診療を行うことができる。
3 刑事施設の長は、前二項の規定により診療を行う場合において、必要に応じ受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所に通院させ、やむを得ないときは受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所に入院させることができる。 」
本件は具体的事情がわかりませんが,おそらく1項1号の「飲食物を摂取しない場合において、その生命に危険が及ぶおそれがあるとき」に該当するのではないか,と思います.
受刑者を刑事施設の外の病院又は診療所を受診する際は,刑事施設の職員複数が同行しますので,刑務所側は,受診の必要性を過小評価するきらいがあります.
本件は,病院搬送の時期が適切だったか,調査の必要があるのではないでしょうか.
谷直樹
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