弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

歌会始の儀の報道に接し一首

昨日の「歌会始の儀」の御題は「立」でした.立法,立憲,三権分立,申立ての立です.

東京新聞「皇居で歌会始の儀」(2013年1月16日)は,次のとおり伝えました.

「天皇陛下は昨年十一月に訪問した沖縄県で恩納村の景勝地・万座毛を視察した際、この地と恩納岳が琉歌に取り上げられてきた十八世紀の琉球王朝の時代に思いをはせて、歌を詠まれた。

 琉歌は、沖縄、奄美諸島などに伝承され、「八・八・八・六」の三十音を基調に表現する歌謡。陛下は、戦時中の沖縄の苦難を重く受け止めて戦没者慰霊に力を尽くしているが、皇太子時代から琉歌を自ら詠むなど、沖縄の文化にも強い関心を寄せてきた。

 皇后さまの歌は、昨年二月に心臓の冠動脈バイパス手術を受けた陛下の回復を願って詠まれた。手術後も胸に体液がたまるなど陛下の体調がなかなか戻らなかったとき、皇后さまは医師の「春になれば」との言葉を頼りにしてきたが、空気に春の気配を感じたある日、陛下が元気に春の野に立つ日も近い、と心をはずませた思いを込められた。

 皇太子さまは、母校であり、今は長女愛子さまが通う学習院初等科に立つ大きなイチョウを見て、この木に見守られて育った子どもたちが多いことへの感慨を詠んだ。皇太子妃雅子さまは欠席したが、愛子さまが生まれた日が十五夜の二日後の十七夜だったことを後に知り、その夜の光景を懐かしく思い起こして歌にした。」


天皇陛下

 万座毛(まんざもう)に昔をしのび巡り行けば彼方恩納(あがたおんな)岳さやに立ちたり

皇后陛下

 天地(あめつち)にきざし来たれるものありて君が春野に立たす日近し

皇太子殿下

 幾人の巣立てる子らを見守りし大公孫樹の木は学び舎に立つ

皇太子妃殿下

 十一年前吾子の生れたる師走の夜立待ち月はあかく照りたり

秋篠宮文仁親王殿下

 立山にて姿を見たる雷鳥の穏やかな様に心和めり

秋篠宮紀子妃殿下

 凜として立つ園児らの歌ごゑは冬日の部屋にあかるくひびく

常陸宮華子妃殿下

 蕗のたう竹籠もちて摘みゆけばわが手の平に香り立ちきぬ

三笠宮百合子妃殿下

 俄かにも雲立ち渡る山なみのをちに光れりつよき稻妻

▽召人

岡野弘彦さん

 伊勢の宮み代のさかえと立たすなり岩根(いはね)にとどく心(しん)のみ柱

▽選者

岡井隆さん

 やうやくに行方見え来てためらひの泥よりわれは立ち上がりたり

篠弘さん

 ゆだぬれば事決まりゆく先見えて次の会議へ席立たむとす

三枝昂之さん

 すずかけは冬の木立に還りたりまた新しき空を抱くため

永田和宏さん

 百年ばかり寝すごしちまつた頸(くび)を立て亀は春陽に薄き眸(め)を開(あ)く

内藤明さん

 遠き日の雨と光を身に湛へ銀杏大樹はビルの間に立つ

▽入選者(年齢順)

北海道 佐藤マサ子さん

 羽搏きて白鳥の群れとび立てり呼び合ふ声を空へひろげて

埼玉県 若谷政夫さん

 ほの白く慈姑(くわゐ)の花の匂ふ朝明日刈る稻の畦に立ちをり

静岡県 青木信一さん

 自画像はいまだに未完立て掛けたイーゼル越しの窓が春めく

新潟県 宮沢房良さん

 何度目の雪下しかと訊ねられ息をととのへ降る雪に立つ

群馬県 鬼形(おにかた)輝雄さん

 いつせいに蚕は赤き頭立て糸吐く刻をひたすらに待つ

新潟県 高橋健治さん

 吹く風に向へば力得るやうな竜飛岬の海風に立つ

福島県 金沢憲仁さん

 安達太良の馬の背に立ちはつ秋の空の青さをふかく吸ひ込む

栃木県 川俣茉紀(まき)さん

 ネクタイをゆるめず走る君の背を立ち止まらずに追ひかけるから

大阪府 瀬利由貴乃さん

 人々が同じ時間に立ち止まり空を見上げた金環日食

東京都 太田一毅さん

 実は僕家でカエルを飼つてゐる夕立来るも鳴かないカエル



小職も一首よんでみます.

  煙立つ露台のタバコそらにみつやまとの国の裁は許さじ

    ※ 「立つ」は「裁つ」の掛詞.「そらにみつ」は「やまと」の枕詞.

谷直樹

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by medical-law | 2013-01-17 13:33 | タバコ