弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

膵臓がんの手術後に「ゲムシタビン」より「S―1」のほうが生存率が改善される可能性(報道)

共同通信「経口抗がん剤で生存率向上 膵臓がん手術後に使用」は,次のとおり報じました.


 「膵臓がんの手術後、これまで使われてきた点滴抗がん剤「ゲムシタビン」を投与すると2年後の生存率が53%だったのに対し、経口抗がん剤「S―1」を使うと同70%と大幅に向上したと、静岡県立静岡がんセンター(同県長泉町)などのチームが23日、発表した。

 国内33病院で患者計385人が参加した臨床試験の中間解析で大きな効果が見られたため、公表に踏み切ったという。これまでゲムシタビンを使っても約20%だった手術後の5年生存率が改善されるとみて、チームは調査を続けている。

 膵臓がんは早期発見が難しく、手術で切除できる患者は2~3割と少ない。」


膵臓がんは,早期発見・手術に至る症例が少なく,さらに手術後抗がん剤ゲムシタビンを使用しても5年生存率が著しく低い状況でしたが,S―1はゲムシタビンよりは生存率が向上する可能性があるという,臨床試験の中間解析です.

ちなみに,膵臓癌のリスク因子は以下のとおりです.

●家族歴
膵癌 13倍
遺伝性膵癌症候群 4.46倍

●合併疾患
糖尿病 1.8倍~2.1倍
肥満 BMI30以上では1.8倍
慢性膵炎 4~8倍
遺伝性膵炎 健常人の53倍
IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍) 0.95~1.1%/年

●嗜好
喫煙 2~3倍


谷直樹

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by medical-law | 2013-01-23 08:43 | 医療