弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

にんにく卵黄との因果関係が疑われる薬物性肝障害,サプリメント連用中に発症したインスリン自己免疫症候群

いわゆる健康食品との因果関係が疑われる健康被害が報告されています.独立行政法人国立健康・栄養研究所のサイトで紹介されています.

◆ 「にんにく卵黄」との因果関係が疑われる薬物性肝障害

・複数の健康食品を摂取していた60歳女性 (日本) が、にんにく、卵黄、サフラワー油などを含む健康食品「にんにく卵黄」を1ヶ月程度摂取したところ (摂取量不明) 、黄疸、全身倦怠感、食欲不振などが生じて医療機関を受診。DLSTにおいて、当該製品のみ陽性、DDW-J2004薬物性肝障害スコアリングにおいてスコア10 (highly suspicious) であったため、当該製品摂取との因果関係が疑われる薬物性肝障害と診断された (肝臓.2012;53(11):748-53).

◆ サプリメント連用中に発症したインスリン自己免疫症候群

・15年前に急性肝炎 (非B型非C型) の既往歴があるが糖尿病加療歴のない70歳女性 (日本) が、約10年前より複数種のサプリメントを服用し、加えて2年前からメチオニンを70 mg/日摂取したところ、動悸・発汗が生じて医療機関を受診。同様の症状は夕食前や深夜に繰り返し生じ、糖質の摂取により軽減していた。空腹時血糖の低値 (32 mg/dL) および血清インスリンの異常高値 (4,660μIU/mL) が認められ、HLAハロタイプはDRB1*0406であった。全てのサプリメントの中止および加療により回復したため、サプリメント連用中に発症したインスリン自己免疫症候群 (IAS) と診断された (市立豊中病院医学雑誌.2012.12.71-4.)


いわゆる健康食品,サプリメントにも気をつけたいです.

谷直樹

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by medical-law | 2013-01-28 02:22 | 医療