大学病院,調査委員会が最低限解剖を勧めるべきと提言
「橿原市の県立医大病院で平成21年7月、心臓手術後の幼児=当時(1)=が原因不明の容体急変で死亡し、同病院が設置した調査委員会が「想定外の事態が生じた症例は、病理解剖の(遺族への)提案と実施を徹底すべきだ」と提言していたことが7日までに分かった。
調査委が24年5月にまとめた報告書によると、担当医師は「号泣する遺族を前に、これ以上苦痛を与えられなかった」として、解剖を提案しなかった。報告書は一連の治療に「許し難い過失や注意義務違反はなかった」とする一方、解剖をしなかったため容体急変の原因が特定できなかったとして「遺族に拒否される可能性があっても、最低限(解剖を)勧めるべきだ」と提言した…」
心臓手術後の幼児が原因不明の容体急変で死亡した事案において最小限解剖の提案をすべきとする公立大学法人奈良県立医科大学附属病院の調査委員会の提言はもちろん正しいのですが,病理解剖の提案がなされてもそれを病理解剖の増加につなげるのは難しいのが現実でしょう.かつては,病理解剖が熱心に勧め,遺族も医学の進歩のために同意した時代もあったのですが,医師側の事情(最近は医師からの熱心な勧めが少ないように思います.)と遺族側の事情で,病理解剖は年々減少しています.予想外の急変の原因を調べることで医学は進歩します.原因が明らかになることで遺族も疑問に応えることもできます.病理解剖の質を担保し,病理解剖の成果をわかりやすく示す活動が必要なのではないでしょうか.
谷直樹
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