弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

静岡の病院,救急搬送の翌年に腹部の悪性肉腫で死亡した事案で和解(報道)

毎日新聞「損賠訴訟:○○病院、和解金支払いで遺族側と和解」(2013年4月6日)は,次のとおり報じました. 
 
「悪性肉腫の発見が遅れて夫が死亡したなどとして、妻ら遺族が○○病院(静岡市○○区)を運営する○○(東京都)などに1億3300万円を求めていた訴訟の和解が5日、静岡地裁(足立哲裁判長)で成立した。遺族側代理人によると、○○側が500万円の和解金を支払う内容という。

 訴状などによると、夫は07年2月、体調悪化を訴え同病院に救急搬送され、翌年3月に腹部の悪性肉腫で死亡。診察が不適切だったためとして遺族らが09年に提訴していた。

 同病院は「医療安全の強化と説明責任を果たしていきたい」と話している。【荒木涼子】」


原告(患者側)に,注意義務違反と因果関係と損害の立証責任がある医事訴訟は,おおよそ3分の2くらいが「裁判上の和解」で終わります.
本件では,悪性肉腫の発見が遅れたことに医師の注意義務違反があること,その注意義務違反がなければ08年3月の死亡がなかったことを,遺族側で立証する責任があります.判決と異なり,和解ですと,中間的な解決が可能です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-11 13:55 | 医療事故・医療裁判