弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

米研究,受刑者への動機付け面接法と認知行動療法で出所3カ月後の禁煙継続率が6.6倍に

健康百科「受刑者への禁煙プログラム、出所後の継続率は? 米研究」(2013年4月12日)は,次のとおり伝えました.

「米ブラウン大学プライマリーケア・予防センターのJennifer G. Clarke氏らは、受刑者に薬を使わない禁煙プログラムを実践した場合、出所から3カ月後に禁煙を続けている割合が6.6倍だったことを、4月8日発行の米医学誌「JAMA Internal Medicine」(電子版)に発表した。」

「敷地内が全面禁煙で、禁煙プログラムを行っていない、米北東部の大規模な州立刑務所に服役しており、入所前の喫煙本数が1日10本以上、8週以内に刑期を終える予定の18歳以上の男女262人を対象とした。WISEは、本人に抱えている問題を認識させ、治療に立ち向かう動機を持つよう促す「動機付け面接法」と、抱えている問題に対しての考え方を柔軟にして治療に取り組むよう導く「認知行動療法」を行うプログラムだ。

 健康に関連したビデオを視聴するグループ(対照群、125人、平均年齢35.4歳、男性64.8%)と、WISEを行うグループ(WISE群、122人、平均年齢35.7歳、男性65.6%)にランダムに割り付け、両群で週1回のセッションを6週間実施。出所後3週での禁煙継続率などを評価した。 出所後に喫煙する意向がある人の割合は、対照群で49.2%、WISE群で53.3%。入所前の喫煙年数と1日当たりの喫煙本数は、それぞれ19.7年・22.6本、19.1年・20.7本だった。」
 
「出所から3カ月後に尿のコチニン(ニコチンの代謝物)濃度で禁煙しているかどうかを調べたところ、WISE群の禁煙を継続していた人の割合は対照群の6.6倍だった。」


禁煙治療における認知行動療法の有効性の大きさを示す報告です.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-14 20:54 | タバコ