弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

青森県の病院,エホバの証人信者の手術を打ち切り患者死亡(報道)

読売新聞「「エホバの証人」信者の家族が輸血拒否…死亡」(2013年4月16日)は,次のとおり報じました.

 「青森県立中央病院(青森市)で2011年4月、宗教団体「エホバの証人」の女性信者(当時65歳)の家族が、女性の信仰上の理由で手術中の輸血を拒否し、途中で打ち切られた手術後に、女性が死亡していたことが分かった。

 病院によると、女性は同月28日昼頃に体調が悪化して入院。急性硬膜下血腫と診断され、手術が必要となった。女性自身は意識不明だったため意思表示はなく、女性の息子が輸血拒否を申し出て、書面を提出したという。

 手術中に出血が止まらなくなり、病院側が説得したが、息子は応じなかった。手術は打ち切られ、女性は同日夜に死亡した。

 教団関係者によると、息子は信者ではなく、女性は輸血拒否の意思表示カードを作成していたという。ただ、病院側は入院時は持っていなかったとしている。」


上記報道の件は私が担当した事件ではありません.
エホバの証人は輸血は拒否しても,血液製剤は必ずしも拒否していません.アルブミン、免疫グロブリン、凝固因子等の血液製剤の使用は各人の判断に委ねられています。術中回収式事故輸血等を受け入れることが受け入れることが多いようです。これらを使用して手術を続行することはできなかったのでしょうか.
https://www.blood-sub.jp/file/archives/005_1997_04.pdf

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-17 09:19 | 医療事故・医療裁判