弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

木内道祥氏(大阪弁護士会)が最高裁判事就任

田原睦夫最高裁判事が4月22日で定年退官し,木内道祥氏(大阪弁護士会)が4月25日付で最高裁判事に任命されました.

徳島新聞「弁護士から最高裁判事に就任した木内道祥(きうちみちよし)さん」(2013年4月29日)は,次のとおり伝えています.
 
「一人の裁判官として事件を真剣に考え、議論を尽くして結論を出す。その姿勢ができるだけ分かるようにしたい」。38年間の弁護士活動でも信頼を第一にしてきた。最高裁判事としての抱負は「国民の信頼を得る」こと。憲法の番人という重責を担っても心構えは変わらない。

 倒産事件と家事事件のエキスパート。大阪弁護士会や日弁連では、関連する委員会の取りまとめ役を歴任した。

 1995年の阪神大震災の時は大阪に住んでいた。想像を絶する被害に「弁護士は役に立たない」と率直に感じた。それでも直後から被災者の法的救済に奔走。倒壊した借家の権利関係などの相談に応じるため、弁護士会の中心になって避難所に弁護士を派遣し、被災者の声をくみ取った。

 神戸市の進学校から東大に進み、1960年代後半にはキャンパスで吹き荒れる学生運動の風を目の当たりにした。「あの時代ですから、みんな多かれ少なかれ参加していた。私もそうです」。在学中に司法試験に合格し、「組織に属するのではなく、独立して仕事ができる」と弁護士の道を選んだ。

 座右の銘は「成功体験に縛られてはいけない」。前例踏襲だけではない柔軟な思考を常に心がける。愛読書は市井の人々の暮らしを情感豊かに描いた北原亜以子の時代小説。好きな歴史上の人物には「どっちも一筋縄ではいかないところが面白い」と、勝海舟と福沢諭吉の名前を挙げた。妻と2人暮らし。徳島市出身。65歳。」


2005年2月の 第32回日本集中治療医学会でのパネルディスカッション「ICUにおける末期医療のコンセンサス」において,木内道祥氏は次のとおり発言しました(週刊医学新聞第2626号).

「木内氏は法律家の立場から,患者の意思の確認方法について,患者の意思が不明でも家族の同意があれば事実上問題とはなっていないが,法的には家族には代行する権限はなく,あくまでも自己決定権が優先されることを強調した。」
「たとえノートの切れ端に書かれた一文であっても,特に疑わしい部分がない場合,医療者には証拠収集の義務はなく,本人の意思と受け取ってよい」,「家族の言っていることから本人の意思を推定することは可能で,家族の言っていることに不合理な点がなければ,家族を信用してよい」など木内氏はアドバイスした。 」


第三小法廷が面白くなりそうです.
木内道祥氏に期待します.

谷直樹

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by medical-law | 2013-04-29 01:42 | 司法