弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

志賀県立成人病センター,術後の出血の状態把握が不十分で止血を行わなかった事案で和解(報道)

msn産経「県立成人病センター 7800万円支払いで和解へ 滋賀」(2013年5月31日)は,次のとおり報じました.

 「■医療事故で昏睡状態

 県立成人病センター(守山市)で子宮内膜症治療の手術を受けた患者が一時心肺停止に陥って今も昏睡(こんすい)状態が続く医療事故があり、県は30日、7800万円を支払うことで患者側と合意したと発表した。6月県議会に損害賠償支払いの関連議案を提出、可決後和解が成立する。県は「手術後の管理が不適切だった。重大な結果を招き申し訳ない」と謝罪している。

 県によると、患者は県内在住の30代女性。平成23年5月下旬、同センターで子宮内膜症に伴って卵巣内にできた嚢(のう)胞を切除するなどの手術を受けた。手術翌日に貧血を起こすなど体内で出血している兆候がみられたが、輸血で改善したため主治医らは止血を施すほどの状態ではないと判断、経過を観察していたところ、その3時間半後に容体が急変し、約1時間にわたって心肺停止の状態となった。

 しかし、蘇生(そせい)措置などを施して心拍が再開した後も意識は戻らず、人工呼吸器による管理が必要な状態が続いているという。

 センターは翌月、医療事故調査会を設置して原因を分析し、同年12月には「術後の病態把握が不十分だった」などとする調査結果を患者側に説明、謝罪。今年3月に和解案を提示していた。」


術後の出血はこわいですね.「輸血で改善したため止血を施すほどの状態ではないと判断し,止血を行わなかったこと」が過失でしょう,

谷直樹

ブログランキングに参加しています.クリックをお願いします!
  ↓

にほんブログ村 士業ブログ 弁護士へ
にほんブログ村
by medical-law | 2013-05-31 02:30 | 医療事故・医療裁判