弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

抗結核薬エタンブトール製剤による視力障害

サンドと科研製薬)は,2013年7月3日,「適正使用のお願い-エタンブトール製剤使用にあたっての視力障害について-」 を発表しました.
エタンブトール製剤<エサンブトール錠(サンド)、エブトール錠(科研製薬)>の副作用である視力低下の発見が遅れ視力障害が高度に進行した場合には、その回復に長期間を要するか、あるいはまれに非可逆性の視力障害に発展する可能性があると報告されている,とのことで注意喚起を行いました.


「眼障害予防の具体的方法

本剤の投与により、視力障害があらわれることがあるので、次のような注意をはらい、視力障害の早期発
見に努めること。
なお、本剤による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば可逆的であるが、発見が遅れ高度に進行
すると非可逆的になることがある。

(1)本剤の投与に際しては、次の点を患者に十分徹底すること。
・本剤の投与により、ときに視力障害があらわれること。
・この視力障害は、早期に発見し、投与を中止すれば可逆的であること。
・この視力障害は、新聞を片眼ずつ一定の距離で毎朝読むことによって、早期に発見できること。
・視力の異常に気づいたときは、直ちに主治医に申し出ること。

(2)本剤の投与開始前に、あらかじめ少なくとも視力検査及び外眼検査を実施すること。
開始前の検査で白内障・視神経炎等の異常が認められた場合には、適当な処置を講じてから、
本剤を投与すること。
投与中は定期的に眼の検査を行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、精密な検査を
行うこと。
なお、簡便な眼の検査としては、次のような方法がある。
・試視力表を用いる視力検査
・指を用いる視野狭窄検査
・中心暗点計による検査
・眼底検査
・色盲表による検査

(3)本剤を高齢者に投与する場合には、視力検査を特に慎重に行うこと。」


ミクス「科研製薬とサンド 抗結核薬エタンブトール製剤による視力障害で注意喚起」(2013年7月4日)によれば,「同剤による視力障害関連副作用は、これまでも添付文書に記載されており、両社としても情報提供をしてきたという。しかし、同副作用の医薬品医療機器総合機構への報告数は10年度以降だけ見ても、科研製薬は10年度2件、11年度4件、12年度3件、サンドは10年度7件、11年度15件、12年度8件。より長期的に見ても減っていないと判断した両社は、7月3日にPMDAのウェブサイトに「適正使用のお願い」という文書を掲載し、注意喚起を行うことにした。」とのことです.



谷直樹

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by medical-law | 2013-07-04 19:37 | 医療