JPA、混合診療のなし崩し的な解禁に反対する~必要な医療は保険適用が原則~
「政府は 6 月 14 日、規制改革実施計画を閣議決定し、再生医療の推進のために、先進医療(保険外併用療養費)の対象範囲を大幅に拡大することを発表しまし
た。
その後も混合診療問題に関する記事や全面解禁論などが一部報道機関にも出ていることから、あらためてこの問題についての考えを表明します。
保険外併用療養費制度は、最新治療による高額な医療費の部分(先進医療)は全額患者負担となっています。先進医療は速やかな保険収載を前提とすべき
であり、安易な拡大は、難病に苦しむ多くの患者が公平に最新の医療を受ける権利を奪うものとなりかねません。私たちは、この制度の安易な拡大が、混合診療のなし崩し的な解禁につながるものとして強い懸念を表明します。
再生医療などの高度先進医療は、多くの国費を投じた研究の成果でもあり、事実上、一部の経済的な余裕のある裕福な患者だけが受けることができる医療となるのは、同じ国民として極めて不公平であり、公正性を欠く施策と言わざるを得ません。また、自由診療が安易に認められるのは、十分な安全性と治療としてのエビデンスが確立していない段階で治療が行われる道を公的に認めるものであり、治療の効果の確認だけではなく、患者の生命や健康に大きな危険をもたらしかねないものであることも懸念するものです。
わが国は国民皆保険制度の下で保険診療を基本とし、混合診療の原則禁止を国是としています。法的な規制や監視も及ばない医師の裁量による自由診療による医療を野放しにすることは、現在国際的にも日本が置かれている立場と信頼を損なうものともなりかねない危険性もはらむものです。
これらの懸念は架空のものではなく、すでに日本の再生医療の現状が各種報道・出版物や最近の NHK の報道でも明らかにされているように、すでに 100件近くのクリニック等によって自由診療として行われており、およそ 1 万人の患者に施術が施され、少なくない健康被害も続出しているといわれています。
しかも先進諸国では日本が唯一、エビデンスのない治療を自由に受けられる国となっているとのことです。しかも患者の藁にもすがる思いを逆手にとった法外な医療費負担を強いられる実態があります。
保険外併用療養費の安易な拡大が認められるならば、事実上の混合診療のなし崩し解禁となり、高額な患者負担を前提とした自由診療が激増することも想像に難くありません。
私たちは、政府が混合診療の原則禁止の方針を堅持し、わが国が到達した高度な先進医療が、その効果と安全性が確認されたのち、速やかに医療保険の適用となり、みんなが等しく必要な治療が受けられることを強く願うものです。」
混合診療解禁の流れは、患者のためのように言われることがありますが、それは一部の富裕層患者のためにしかなりません.
普通の患者にとっては、保険医療の中で安全で有用な医療が行われることが必要です.
谷直樹
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