元京都弁護士会長彦惣弘弁護士刺傷事件を受け、京都弁護士会対策強化へ
「京都市上京区の路上で8日、彦惣(ひこそう)弘弁護士(66)が男にアイスピックで刺された傷害事件で、京都弁護士会の藤井正大会長が9日、京都市中京区で記者会見した。「いかなる理由があっても暴力を正当化できない」との見解を表明し、弁護士の安全確保のため京都弁護士会として対策を強化する方針を示した。今後、日弁連も抗議声明を出す予定。
事件は8日午後6時半ごろ、上京区駒之町の路上で発生。男(60)がアイスピックで彦惣弁護士の脇腹などを刺し、上京署は男を傷害容疑で現行犯逮捕した。同署によると、弁護士業務に関連して男と彦惣弁護士との間にトラブルがあったという。
藤井会長は、弁護士業務について「一部の当事者から反感や恨みを持たれる可能性が常にある」とした上で、「弁護士の使命である社会正義を実現するため、暴力に屈してはいけない」と強調した。彦惣弁護士は1975年に弁護士登録し2004年度には京都弁護士会長を務めた。【松井豊】」
京都新聞「元京都弁護士会長刺される 上京の路上、容疑男逮捕」(2013年8月9日)は、次のとおり報じました.
(被疑者は)「調べに対し「刺したのは間違いない。弁護人が来ないと話せない」と供述しているという。
上京署の説明では、凶器は長さ23センチのアイスピックのような刃物で、腹を2カ所刺したとみられる。同署は、彦惣弁護士との間でトラブルがなかったか調べている。
近くに住む女性(64)は「騒ぎを聞いて駆けつけると、男が『相手が謝らないからこんなことになる』としゃべっていた」と話した。」
この被疑者も、自分の弁護人となる弁護士は信頼しているようです.
京都弁護士会は,具体的にどのような対策をとるのでしょうか.
【ご参考】
京都弁護士会「会員が襲われた件について(会長談話)」(2013年8月9日)
「 昨日当会会員の彦惣弘弁護士が男に襲われ負傷するという痛ましい事件が発生しました。
暴力はそれ自体人間の尊厳を踏みにじる許しがたい行為であり、いかなる理由があろうとも正当化できるものではありません。
弁護士は、その職業柄、他人間の紛争の渦中に身を置かねばなりません。
その中にあって弁護士の使命を果たそうとすれば、常に毅然とした対応をしていかなければなりません。そのため、ともそれば、一部の当事者や関係者から反感をかったり、逆恨みや業務妨害を受けるおそれは常にあるといわざるをえません。しかしながら、弁護士としての使命を貫くためにはそれらに屈することはできません。弁護士は、司法の一翼を担う重大な役割を国民から負託を受け、弁護士法により基本的人権の擁護と社会正義の実現という使命を帯びているからです。そのために、弁護士自治が確立し、それぞれ独立した立場にあります。しかしながら、その重大な使命を背負う生身の身体は、誰かが守ってくれる訳ではありません。その立場上、一人ひとりが自らの責任でセキュリティをはかっていくほかありません。それがゆえに、今回の事件には、京都弁護士会としても激しい憤りとともに深い悲しみを禁じえません。
今後、かようなことが起きないように、会全体としても、弁護士のセキュリティ問題に対して、取り組みを一層強化していきたいと考えております。」
谷直樹
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