総合病院中津川市民病院、薬剤の副作用による壊死事案、病理診断医の誤診事案、それぞれ和解(報道)
「中津川市は19日、昨年4月と8月に同市民病院で発生した2件の医療事故について、それぞれ約1095万円と約451万円を患者側に支払うことで和解したと発表した。安藤秀男院長らが記者会見で明らかにした。市民病院では、07年5月に起きた医療事故を巡り、先月29日に1億3000万円を支払うことで家族側と和解が成立したばかり。
安藤院長らによると、昨年4月、女性患者(67)が緊急搬送され、致死率の高い重症尿路感染症、敗血症性ショックと診断された。緊急手術後、投与した薬剤の副作用で右脚の一部が壊死(えし)した。今月15日に「副作用のある薬剤使用に対する注意が十分でなかった」などとして和解した。
昨年8月には、乳がんと診断した50代の女性患者に対し左乳房の全摘手術をしたが、術後の病理検査で乳がんではなく、良性の腫瘍と判明。「病理医の誤った診断で乳房を切除、身体的・精神的苦痛を与えた」と認めて今月15日に和解した。
安藤院長は「深く反省しておわび申し上げます」と謝罪した。【小林哲夫0」】」
抗生剤の漏れによる壊死事案、病理診断の誤診事案は、何れも弁護士がよく相談を受ける類型です.本件は何れの和解も相当と思いますが、弁護士が相談を受ける事案には、難しい事案もあります.
抗生剤の漏れは、早期に発見し、治療(漏れた薬剤に応じた治療法のチャートが知られています)することで壊死を回避できた可能性があり、責任の有無についての判断は具体的な事案により微妙に異なります.
また、病理診断で事後に良性疾患であると判明しても、事前判断にミスがなければ医療過誤ではありません.しかも、過失がある場合でも、単に病理医だけの責任とはいえないことも多いのです.一般に、臨床情報が病理医に正確に伝わることで、病理診断が正確になります、.病理医と臨床医が連絡を密にすることで、誤診はかなりの部分、回避できるはずです.
谷直樹
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