兵庫県の病院,口頭指示により規定の10倍の濃度の抗生剤の点滴が行われ乳児の指3本壊死切断(報道)
指示は口頭でなされ,その内容について医師と看護師の説明が異なっているとのことです.
口頭指示による医療事故は繰り返し起きています.口頭指示のときの復唱は絶対不可欠です.
毎日新聞「兵庫県立病院:乳児の足指3本壊死…高濃度抗生物質誤投与」(2013年8月21日)は,次のとおり報じました.
「兵庫県は21日、県立こども病院(神戸市須磨区)に心臓疾患で入院中の生後1カ月の女児に、規定より10倍濃い抗生物質を投与し、右足指3本が壊死(えし)し切除する医療ミスがあったことを明らかにした。既に家族に謝罪し、補償について協議する。
県病院局企画課によると6月28日、女児に発熱があり、抗生物質「バンコマイシン」を右足のかかと上部から点滴するよう、循環器科の30代女性医師が20代女性看護師に指示した。点滴開始から約1時間40分後、詰まったことを知らせる警報が鳴り、その後、右足指3本の壊死が確認され、8月に切除したという。
病院は高濃度の抗生物質により足の血管が詰まったのが原因とみている。点滴の際、量などは処方箋に記すか、口頭の場合でも復唱して確認する規則だが、守られていなかった。斉藤芳樹課長は「基本ルールが徹底されていなかった。あり得ないミスで申し訳ない」としている。【渡辺暢】」
神戸新聞「県立こども病院で点滴ミス 濃度誤り乳児の足指壊死」(2013年8月21日)は,次のとおり報じました.
「心臓疾患で入院中の女の子の乳児が発熱し、抗生剤を投与するため医師が看護師に溶解方法を口頭で指示。看護師が抗生剤を規定量の10倍の濃度に薄めて投与したという。
点滴終了後、乳児の右足首から先が変色し、別の医師がカルテを確認してミスに気づいたという。その後、壊死した小指と薬指の2本と、中指の第1関節から先を8月6日に切断した。
病院局の調査に対し、医師と看護師の説明に食い違いがあるという。病院のマニュアルでは緊急時を除き、投薬の指示は処方箋に基づくよう定められおり、医師はこの規定を怠り、看護師も復唱など必要な確認をしていなかった。
同病院は乳児の家族にミスを認めて謝罪。今後、症状が固定した段階で補償に向けた話し合いをするという。」
日刊スポーツ新聞「こども病院で医療事故、乳児の指3本壊死」(2013年8月21日)は,次のとおり報じました.
「兵庫県は21日、神戸市須磨区の県立こども病院で、入院中の生後1カ月の乳児に誤って規定量の10倍の濃度の抗生剤を投与し、右足の指3本を壊死(えし)させる医療事故を起こしたと発表した。乳児は女の子で足の指3本を切断、将来歩行に影響が出る可能性もあるという。
県病院局によると、乳児は先天性の心臓疾患で入院。6月28日、発熱を抑えるため、担当の30代の女性医師が指示し、20代の女性看護師が抗生剤を生理食塩水に混ぜ、医師がかかとの上あたりに点滴で投与を始めた。
その後、点滴が詰まっていることを知らせるアラームが鳴り、異常に気付いた。濃度が高かったために血管が炎症を起こして詰まり、抗生剤が血管外の皮下に漏れ出すなどして、足指の血流が悪くなり、壊死したとみられる。
病院は8月6日、右足の中指の第1関節から先と薬指と小指を切断した。抗生剤の濃度を誤った経緯については、医師と看護師で話が食い違っているという。(共同)」
谷直樹
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