緑色の「ガーゼ」が2013年度グッドデザイン賞受賞
2013年度グッドデザイン賞を受賞した医療機器 [GGアブソーテック]は,内視鏡外科手術用の緑色の「ガーゼ」です.
内視鏡外科手術中に白色の被写体が画像内に入ると,画白色の被写体に自動的に露出が合うため,臓器の画像が一気に暗くなってしまうという問題があり,血液と補色の緑色に染色めた「ガーゼ」にすることで,その問題を解決したとのことです.
「緑色のガーゼは血液を吸収すると黒色になるため、血液を吸収すると赤色に変色し臓器との見分けが付かなくなる白色ガーゼのもう一つの欠点も解決している。内径12mm以上のトロカールからの挿入・抜去を容易にするために、形状を三角形にする工夫もある。」(審査委員の評価)とのことです.
「これまでガーゼの色を変えるアプローチがなかった理由は、ガーゼは「純綿糸を平織りした原布を脱脂し漂白したもの」と薬事法で決められているからということもわかった。そのため当内視鏡外科手術用ガーゼは、ガーゼではなく血液吸収目的のスポンジと位置づけることによって緑色の染色を実現したという。」(審査委員の評価)
平成17年の日本薬局方の改正により,ガーゼ,滅菌ガーゼ,脱脂綿,精製脱脂綿,滅菌脱脂綿,滅菌精製脱脂綿が医薬品から削除され,「医療機器」に区分変更されました.
その後の平成17年6月30日の「医療ガーゼ・医療脱脂綿の基準について」(薬食機発第0630001号)の別紙に「綿繊維とは、Gossypium属の種子の毛を脱脂し、漂白したものである。」と記載されています.
緑色の「ガーゼ」の発想は,固定観念を打ち破る大変優れたものだと思います.
谷直樹
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