学内調査委員会の報告,高血圧症治療薬ディオバンの臨床研究,滋賀医大でもデータ操作の可能性あり
「スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマ(東京)の高血圧症治療薬ディオバン(一般名バルサルタン)を使って滋賀医大で行われた臨床研究について、発表された論文に使われた患者データと、カルテに記載されていた元の数値が一致しない部分が複数あることが13日、分かった。学内調査委員会の調べで判明したもので、データ操作の可能性もある。
滋賀医大関係者が明らかにした。月内にも調査結果を公表する。
臨床研究にはノ社の当時の社員が関与していた。研究責任者は滋賀医大病院長の副学長で、調査に対し「原因は入力ミスなどヒューマンエラーで、論文の結果に間違いはない」と答えたという。
滋賀医大関係者は入力ミスの可能性も否定できないとしながら「ずさんだ。改ざんや捏造(ねつぞう)も考えられる」とし、データ操作の可能性も示唆した。
この問題をめぐってはこれまで、いずれもノ社の元社員が関与した京都府立医大、東京慈恵医大の各臨床研究でデータ操作があったことが判明している。
滋賀医大の臨床研究では、ディオバンに血圧を下げる以外に、糖尿病にみられるタンパク尿の改善効果があるかなどを検討した。不一致の程度はデータを取った日や、論文の部分などにより異なり、平均で8~10%といい、精査を進めている。
滋賀医大はことし5月、調査委を設置。論文の信用性や、ノ社の当時の社員の関与の仕方などを調べてきた。
滋賀医大の臨床研究は2003~06年に実施された。ノ社はこの期間に、滋賀医大に対し6千万円を超える寄付をしている。〔共同〕」
データの過りは論文の信頼性に影響するでしょうし,滋賀医大でもデータ操作が行われたとすれば,当然,ノバルティスファーマの関与が疑われるでしょう.
おりしも,滋賀医大では,平成25年10月26日,映画『希望のちから』が上映されます.医師が,患者のために,さまざまな障害を乗り越え,新薬認可にこぎ続けるまでの感動の物語です.
臨床試験が製薬企業の関与により歪められていないか,を徹底的に調査す公開することなくして,ディオバン問題を機におきている臨床試験への不信を拭い去ることはできないでしょう.
谷直樹
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