40歳以上の5.8%が緑内障,年に1度は検査を
「視野がどんどん狭くなり、症状が悪化すると失明する恐れがある緑内障は、日本人の失明原因のトップだ。眼圧が高いことが原因とされてきたが、2000年代前半の調査で正常な眼圧でも発症例が多いことが判明した。だが、「正常眼圧緑内障」への理解はなかなか広がっておらず、注意が必要だ。
川崎市に住む女性(38)は9年前、コンタクトレンズを購入するため眼科を受診した。その際、医師に「眼底に異常があるかもしれない」と指摘され、市内の大学病院で検査を受けたが、眼圧は正常値(10〜21mmHg)の範囲内だった。それにもかかわらず、視神経が損傷している兆候があり、自覚症状はないものの視野に軽度の異常が見つかった。診断結果は緑内障だった。
女性の場合、早期発見だったため手術の必要はなく、点眼薬だけで症状の進行を抑えられている。
●放置すると失明も
緑内障は、視神経が損傷することによって網膜からの視覚情報を伝える「神経節細胞」が死んでしまうことで発症する。一般に、視野が徐々に狭くなり、放置すると失明する。
日本緑内障学会が00年から2年かけて実施した大規模調査から、国内の緑内障の患者数を推計したところ、40歳以上の5・8%(約300万人)に上った。厚生労働省の調査では、緑内障は健康な人が失明する原因のトップ(20・7%)。糖尿病網膜症(19・1%)や網膜色素変性症(13・7%)を上回っている。
●遺伝など複合要因
緑内障の原因の一つは、眼圧が高いことだ。しかし、川崎市立多摩病院の上野聡樹(さとき)院長によると、「眼圧が正常でも、複合的な要因で視神経の障害が起きることが少なくない。身内に緑内障の人がいると発症する可能性が高いなど遺伝的な要素もある。眼圧だけが原因ではないが、あまり知られていない」という。実際、同学会の調査では、眼圧が正常なタイプの緑内障は、40歳以上の2・04%いると考えられ、眼圧が高いタイプ(同1・37%)よりも多かった。
●早期発見で薬治療
上野院長は「眼圧検査の結果が正常でも安心しないでほしい」と指摘する。視野が狭くなるなどの自覚症状は、症状がかなり進まないと出ない。「早期発見のためにも定期的に眼底検査も受け、結果によっては視野の検査なども受けた方が安心だ」と、上野院長はアドバイスする。」
症状を自覚する前に受診し,検査・診断・治療することが望ましい病気です.
まして,すこしでも見えにくいなどと感じたら,年のせいと考えずに,緑内障専門医師のいる眼科で精密検査を受けるのがよいと思います.
年に1度の検査をお奨めします.
谷直樹
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