弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

PRACがritodrine等の短時間作用型β刺激薬について産科領域での適応制限を勧告

日本では、切迫流・早産に、ウテメリン錠5mg(一般名リトドリンritodrine)が用いられています.

EUでは、短時間作用型β刺激薬fenoterol,hexoprenaline,isoxsuprine,ritodrine,salbutamol,terbutalineに早産防止の適応があります.

EMAのファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)が,これらの短時間作用型β刺激薬について検討した結果、2013年9月6日、早産防止や過度の分娩収縮の抑制などの産科適応において,経口剤または坐剤の短時間作用型β刺激薬Aを今後使用すべきではない、と勧告しました.

国立医薬品食品衛生研究所・安全情報部の「医薬品安全性情報(海外規制機関 )Vol.11 No.21」(2013年10月10日」は、次のとおり伝えています.

「短時間作用型β刺激薬を,早産防止薬として特に長時間(48時間以上)使用した場合の心血管リスクとベネフィットのバランスに関して,懸念が提起された。
PRACは臨床研究,市販後報告および公表文献の入手データを評価し,関連する治療ガイドラインを検討した。PRACは,短時間作用型β刺激薬を産科適応で使用した場合,母親,胎児ともに重篤な心血管系副作用のリスクがあると結論した。また,データは,これらのリスクの多くが長時間使用で生じることを示唆していた。
産科適応での経口剤および坐剤の使用については,心血管リスクがあることと,早産防止薬として短時間または長時間使用した場合のベネフィットを支持するデータが非常に少ないことから,リスクがベネフィットを上回るとPRACは結論し,今後,産科適応で経口剤および坐剤は使用すべきではないと勧告した。」


厚生労働省はどのように対応するのでしょうか.

谷直樹

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by medical-law | 2013-10-21 02:49 | 医療