日本生殖医学会,卵子の凍結保存についてのガイドライン
「不妊治療をする夫婦などに限るべきだとされていた卵子の凍結保存について、日本生殖医学会は健康な独身女性にも認めるガイドラインを正式に決めました。
卵子の凍結保存については、関連する学会が、不妊治療をする夫婦と、がんの治療で卵子に影響を受けるおそれのある患者などに限るとしてきましたが、日本生殖医学会は凍結保存への関心が高まっていることなどを受け、新たなガイドラインを検討していました。
15日開かれた総会で正式に決まったガイドラインでは、健康な独身女性にも卵子の凍結保存を認めるとしたうえで、40歳以上の卵子の凍結保存や45歳以上の凍結卵子を使った不妊治療は推奨できないなどとしています。
また、実施する医療機関は、十分な説明のできる常勤の専門医がいることや安全で確実に保存できる設備があることなどとしています。
学会の理事長で慶応大学の吉村泰典教授は「凍結した卵子を使って妊娠できる確率は10%前後であることなど正しい説明ができ、責任を持って保存できることが大切だ」と話しています。」
msn産経「卵子凍結容認を決定 健康な未婚女性も 生殖医学会が指針」(2013年11月15日)は,次のとおり報じました.
「日本生殖医学会は15日、神戸市内で総会を開き、健康な未婚女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存しておくことを認めるガイドライン(指針)と、実施できる施設の基準を正式決定した。
晩婚化が進み、加齢で妊娠しにくくなる「卵子の老化」が注目される中、若いうちに卵子の保存を望む女性が増えている現状を踏まえた。日本産科婦人科学会に登録している全国の医療機関を対象にした岡山大の無記名調査では、9施設が既に実施、71施設が「将来、実施する可能性がある」と答えるなど、今後広がることも予想される。
指針に拘束力はないが、生殖医学会は年齢や施設基準などで一定のルールを設け、無秩序に広がるのを防ぐのが狙いという。9月に指針案を公表して意見を募っていた。同学会の吉村泰典理事長は「25~35歳で自然妊娠するのが原則。(卵子凍結による妊娠を)希望する人の道を閉ざさないための指針だ」と話した。」
一般に,ガイドラインの法的位置づけには議論がありますが,ガイドラインには規範的な意味づけがあり,ガイドラインに違反した医療行為は,患者との関係において,義務違反(説明義務委違反を含む)に問われる可能性があるでしょう.
谷直樹
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