医療安全情報No.84~誤った処方の不十分な確認
薬剤師は処方に疑問を持ったが、疑義照会の際にその内容が伝わらなかったため、処方が修正されず過量投与した事例が3件報告されています(集計期間:2010年1月1日~2013年9月30日)とのことです.
「事 例 1
医師は患者にプレドニゾロンとして1日27mgを処方する際、プレドニゾロン散1% 1日27g(有効成分として270mg) 1日2回 7日間と誤って処方した。
調剤薬局の薬剤師は疑義照会の際、「プレドニゾロンの量の確認をお願いします」と聞いた。
病院のスタッフは、FAXの処方せんが読みづらいという意味だと思い、電子カルテの処方内容を読み上げた。
薬剤師は疑問が解決しなかったが、そのままの量で調剤し、患者に交付した。
患者から薬剤の量が多いと問い合わせがあり、医師は過量投与に気付いた。
事 例 2
循環器内科医師は、抗凝固療法のため、「ヘパリン2千単位1日1回静脈注射」と口頭で指示した。
リウマチ ・ 膠原病内科主治医は2千単位を2万単位と思い込み、ノボ ・ ヘパリン注5千単位/5mL 4Vを1日1回静脈注射と処方した。
院内の薬剤師は疑義照会の際、「ノボ ・ ヘパリン2万単位の処方量でよろしいですか」と聞いた。
薬剤師の照会の意図が伝わらず、主治医は処方を修正しなかった。
静脈注射を実施後、APTT値が延長し、過量投与に気付いた。
総合評価部会の意見、
・薬剤師は処方について疑義照会する際、疑問点を明確にするため、疑問内容を具体的に明示して確認する。
・医師は処方の疑義照会を受けた際、薬剤師の照会したい内容を理解した上で処方を確認し、回答する。」
総合評価部会の意見はきわめて当然のことですが、これが実行されていない場合があったわけです.
谷直樹
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