弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

高知医療センター、強心剤服用薬で死亡事故(報道)

高知放送「高知医療センターで服用薬作用で死亡事故」(2013年12月4日)は、次のとおり報じました.

「4日、高知市池の高知医療センターで病院企業団議会の定例会が開かれ、昨年度も黒字決算となったことや、ことし10月までに院内で発生した医療事故について報告した。
その中で、今年5月入院していた70代の男性が5年前から服用していた強心剤の影響で心停止を起こし、翌日死亡したと報告があった。
医療センターでは強心剤の中毒症状などが見られず、予見不可能な過失のない医療事故としたが、議員からは「薬の影響を見抜けなかったのではないか」など過失を示唆する意見や、薬を処方したかかりつけ医の責任を問う意見が相次いだ。」


強心剤の副作用で死亡することはありうることですので、予見可能性自体まったくないということはないでしょう.
ただ、具体的な症状からその可能性の程度が低く、強心剤による治療の効果のほうが大きいと判断される場合であれば、強心剤を投与しないという回避方法をとる義務がない、というべきでしょう.
本件がどのような場合であるのかは、具体的な診療経過が報道されていないので、わかりませんが.

谷直樹

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by medical-law | 2013-12-05 00:42 | 医療事故・医療裁判