弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

平戸市の病院で投薬ミス(報道)

読売新聞「平戸市民病院で投薬ミス、入院患者が一時意識混濁」(2014年1月28日)は,次のとおり報じました.

 「長崎県平戸市の平戸市民病院で、症候性てんかんと診断された男性入院患者(87)に、適正量の10倍の抗てんかん薬が誤って投与されていたことが分かった。男性は一時、意識混濁状態になったが、現在は回復しているという。

 同病院によると、男性患者は転んで頭部を強打し、同県佐世保市の病院に運ばれ、その後遺症として症候性てんかんと診断された。今月22日に市民病院に転院。診察した60歳代の男性医師が、1日当たりの抗てんかん薬の投薬量を電子カルテに入力する際、誤って適正量(0・8グラム)の10倍にあたる8グラムと入力。カルテに従い、23日朝と夜、24日朝の3回に分けて4グラムずつ計12グラムが投与された。

 男性患者は23日に意識が混濁、24日にけいれんを起こし、佐世保市の病院に救急搬送された。意識は戻ったが、現在も入院している。男性医師は24日、ミスに気付き、その後、患者の家族に謝罪したという。」


報道の件は私が担当したものではありません.
平戸病院では,電子カルテシステムが昨年秋から稼動したばかりでしたので,医師が不慣れだったのかもしれませんが,桁間違いの入力はあり得ることですので,処方量が添付文書上の1回量,1日量を超えた場合に警告が出る設定が必要ではないでしょうか.


弁護士 谷直樹

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by medical-law | 2014-01-28 20:09 | 医療事故・医療裁判