鳥取地米子支判平成26年5月26日,パワハラ長時間労働による医師自殺事案で約8000万円の賠償命令(報道)
「兵庫県養父市の公立八鹿病院の男性勤務医=当時(34)=が自殺したのは、長時間労働と上司のパワーハラスメントが原因として、鳥取県に住む両親が病院側と元上司2人に約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、鳥取地裁米子支部(上杉英司裁判長)は26日、計約8000万円の支払いを命じた。
判決などによると、勤務医は2007年10月から整形外科医として同病院に勤務。長時間労働や、当時上司だった医師2人からの暴力や叱責といったパワハラが原因でうつ病となり、同年12月に自殺した。
地方公務員災害補償基金兵庫支部は10年8月、自殺は長時間労働による公務災害と認定。両親が同年12月、病院の管理責任だけでなく元上司の個人責任も追及し、提訴した。(共同)」
パワハラ・長時間労働→うつ病→自殺,の因果関係を認めた裁判例です.このまま確定してほしいですね.
【追記】
神戸新聞「8000万円賠償命令の病院側が控訴 八鹿・医師自殺」(2014年6月11日)は,次のとおり報じました.
「兵庫県養父市の公立八鹿病院の男性勤務医=当時(34)=の自殺について、運営する病院組合と上司2人に対し、計約8千万円の支払いを命じた鳥取地裁米子支部の判決を不服とし、被告の病院側と、原告の遺族がそれぞれ10日までに控訴した。
病院側が4日付、遺族が9日付。判決は、勤務医の過重労働と上司の医師によるパワーハラスメントを認定する一方、勤務医の一部過失を認めた。」
【再追記】
控訴審の広島高裁松江支部平成27年3月18日判決は,原審が認めた過失相殺を否定し約2000万円増額しましたが,上司の医師2人への請求は棄却しました.
谷直樹
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