神戸地判決平成26年5月30日、3、4回の吸引分娩を行わない注意義務に反したとして770万円の賠償命令(報道)
「長女(6)が仮死状態で生まれ、寝たきりになったのは、病院側が出産時にすぐに帝王切開を行わなかったためとして、徳島県阿波市の夫婦と長女が病院を運営する医療法人「誠仁会」を相手取り、計1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が29日、神戸地裁であった。
伊良原恵吾裁判長は、病院側の過失を一部認め、計770万円の支払いを命じた。
判決によると、母親は平成20年5月21日、明石市大久保町大窪の大久保病院で、長女を出産。その際、病院側は吸引器を使用して出産させる「吸引分(ふん)娩(べん)」を4回行ったが、生まれず、帝王切開で出産させた。長女は仮死状態で生まれ、低酸素性虚血性脳症で、寝たきりの状態となった。
伊良原裁判長は、2回目の吸引分娩以降、長女の心拍数が下がって、危険な状態だったと指摘。「3、4回目の吸引分娩をせずに、帝王切開していれば、重い脳障害が残らなかった可能性がある」と述べた。
病院側は「判決文を入手していないためコメントは差し控える」としている。」
過剰な吸引分娩を実施しない注意義務を認め、その注意義務違反と結果との間の因果関係について高度の蓋然性を認めなかった神戸地方裁判所第五民事部の判決です。
裁判所における因果関係の認定のハードルの高さを改めて感じさせる判決です.
谷直樹
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