弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

米小児科学会、妊婦と授乳中の女性に子どもの脳の健全な発達のため150マイクログラム以上のヨウ素を推奨

WSJ「妊娠・授乳期のヨウ素摂取が子供の知能の発達に影響」(2014 年 5 月 27 日)は、」次のとおり報じました.

「米国小児科学会(AAP)は26日、妊婦と授乳中の女性は子供の脳の健全な発達に非常に重要だが日常の食事では十分な摂取が難しいヨウ素を含む妊婦用サプリメントを取るべきだとする研究結果を明らかにした。

 ヨウ素の摂取は過去数十年減少している。報告によると、妊婦の約3分の1は軽度のヨウ素不足になっている。米甲状腺学会などは以前からヨウ素を取ることを推奨しているが、AAPが妊娠中のヨウ素サプリメントについて見解を示したのはこれが初めて。

 報告をまとめたAAPの委員会の委員長で、国立小児科センター(ワシントン)の小児科医ジェローム・ポールソン博士は「(ヨウ素の摂取について)注意を喚起する必要があると考えた」と語った。

 6万の小児科医を擁するAAPは、女性は少なくとも150マイクログラムのヨウ素を含むサプリメントを探すべきだとし、食品からの摂取と合わせて米医学研究所が推奨する1日の量―妊婦で220マイクログラム、授乳期で290マイクログラム―になるとしている。食べ物では乳製品、魚介類、ヨウ素添加塩などがある。

 軽度のヨウ素不足が増えているのは、一般にヨウ素の入っていない塩を使っている加工食品の消費が増えているためである可能性がある、と報告は指摘した。報告は専門誌「小児科学」の電子版に掲載された。

 ヨウ素は甲状腺ホルモンを作るのに必要で、このホルモンは脳の発達を助ける。ヨウ素がひどく不足している胎児や乳児は知能発育不全になることがある。内分泌学者でボストン大学医学部准教授のエリザベス・パース氏は、懸念されるのは母親の軽度のヨウ素不足がその子の知能の発育を少し遅らせる可能性があることだと述べた。パース氏は甲状腺学会のヨウ素に関する推奨作成に参加した。

 ポールソン博士は、妊婦の軽度のヨウ素不足がその子に大きなダメージを与える公算は小さいが、米国の人口全体で見れば、このような累積的影響は重要なものになることがあると語った。同博士は、ヨウ素不足によってたばこの煙に含まれるチオシアン酸塩などの環境汚染物質に影響されやすくなるかもしれないと話している。

 2009年に医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」に掲載された報告では、全ての妊婦用マルチビタミンがヨウ素を含んでいるわけではなく、一部は入ってはいるものの、その量は推奨レベルを下回っているとされている。

 サプリメントメーカーの団体、米栄養評議会(CRN)のダフィー・マッケイ上級副会長によると、CRNは妊婦用サプリメントの栄養について公式の指針を設けていない。しかし、メーカーはヨウ素を入れるようにしているという。

 ヨウ素の摂取を勧める一方、ポールソン博士はヨウ素の取りすぎは健康に問題を起こすことがあると警告し、1日の分量の何倍もヨウ素を取ってはいけないとしている。」


これで、米国人はコンブチャを買うことになるのでしょうか.
日本人の場合、昆布など海産物を多く食べる関係で、ヨウ素の過剰摂取が弊害が指摘されています.
ヨウ素の過剰摂取は、甲状腺異常の原因とされています.

谷直樹

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by medical-law | 2014-06-03 06:33