弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

子宮頸がんワクチン 勧奨中止から1年後の状況

NHK「子宮頸がんワクチン 勧奨中止1年」(2014年6月14日)は、次のとおり報じました.

「子宮頸がんワクチンの接種後、原因不明の痛みを訴える女性が相次ぎ、国が接種の積極的な呼びかけを中止してから14日で1年になります。
現場では接種を見合わせる動きが広がっていて、自治体からは原因解明を急ぐよう国に求める声が上がっています。

子宮頸がんワクチンを巡っては、接種後に原因不明の体の痛みを訴える女性が相次ぎ、厚生労働省は去年6月、「接種との因果関係が否定できない」として接種の積極的な呼びかけを中止しました。
ことし1月、専門家で作る国の会議が「接種への不安などがきっかけで症状が出た可能性がある」とする見解をまとめましたが、今も原因は解明されていません。
この影響で、定期接種の対象となっている小学6年生から高校1年生の間で接種を見合わせる動きが広がるなど、現場では混乱が続いています。
神奈川県藤沢市がおよそ7000人の市民を対象にアンケートしたところ、必要な3回の接種を終えていない392人のうち、およそ4割が「問題が解決されるまで接種を見送る」と答えたほか、およそ3割が「検討中」と答え、合わせて7割に達したということです。
またアンケートでは、「突然症状が出るかもしれない」「子どもに接種させなければよかった」などの声が寄せられたということです。
藤沢市健康増進課の相原陽子課長は「正確な情報がないので市としてもきちんとした説明ができない状況にある。国は痛みの原因の解明を急ぎ、治療態勢の整備を進めてほしい」と話しています。

痛みの原因解明に至らず

子宮頸がんは20代から30代の若い女性に増えていて、国内で年間9000人程度が発症し、およそ2700人が死亡しています。
予防には、定期的な検診とワクチンの接種が効果があるとされ、厚生労働省は去年4月、「サーバリックス」と「ガーダシル」という2種類のワクチンを法律に基づく定期接種に追加しました。
定期接種の対象は小学6年生から高校1年生までです。
3回の接種が必要で、ほかの予防接種に比べると筋肉に深く注射するため、強い痛みを伴います。
これまでに337万人が接種を受けたとみられていますが、原因不明の体の痛みを訴える女性が相次ぎ、厚生労働省は去年6月、「接種との因果関係が否定できない」として、接種の積極的な呼びかけを中止する異例の対応を取りました。
原因不明の痛みを訴えた女性は、去年9月末の時点で130人となっています。

国の接種の積極的な呼びかけ中止を受けて、全国で接種を見合わせる動きが広がり、厚生労働省の推計では、呼びかけを中止したあとに接種を受けた人の数は、それ以前の1割程度に落ち込んでいます。

厚生労働省は、全国の17の医療機関で診療を行うとともに、痛みの原因の分析や治療方法の研究を進め、ことし1月には厚生労働省の専門家会議が「接種への不安や痛みなどがきっかけで症状が引き起こされた可能性がある」とする見解をまとめました。
しかし痛みの原因の解明には至っておらず、厚生労働省は接種の積極的な呼びかけを中止してから1年がたった今も対策を打ち出せずにいます。
厚労相「検討部会で議論中」

田村厚生労働大臣は記者会見で、「いろいろな情報があるなかで、確かに今の状況では保護者や自治体も不安を感じているかと思っている。現在、検討部会で議論してもらっている最中で、一定の報告が出た段階で国民に分かりやすく情報を提供したい」と述べました。」


あれから1年たちますが、原因解明がすすんでいないのですね.

ワクチン接種より、むしろ子宮がん検診を推奨したほうがよいと思います.

なお、我が藤沢市は「主婦が幸せに暮らせる街」全国1位ですが、行政がすみやかにこのような調査を実施していることもその一因なのかもしれません.


谷直樹

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by medical-law | 2014-06-16 09:19 | 医療事故・医療裁判