弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

大阪高裁平成26年7月18日判決,育休を3カ月以上取ると翌年度に昇給させないとする京都市の病院の就業規則は無効

共同通信「育休で昇給なし」は違法 病院の就業規則、大阪高裁」(2014年7月18日)は,次のとおり報じました.

「育休を3カ月以上取ると翌年度に昇給させない就業規則は無効として、京都市の病院に勤務していた元男性看護師(44)が、運営する医療法人「稲門会」に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、大阪高裁は18日、「規則は育休取得の権利を抑制し、育児休業法に反し無効だ」として、約24万円の支払いを命じた。

 昨年9月の一審京都地裁判決は違法とはいえないと判断。昇給とは別に、病院が昇格試験を受けさせなかったことについてのみ「理由がない」として慰謝料15万円の支払いを命じていた。

 同法は、育休取得を理由に、事業主が解雇など不利益な扱いをしてはならないと定めている。」


育児介護休業法10条は,「事業主は,労働者が育児休業申出をし,又は育児休業をしたことを理由として,当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。」と規定しています.この年度に昇給させない就業規則は「その他不利益な取扱い」にあたるという判断です.


谷直樹

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by medical-law | 2014-07-19 08:08 | コンプライアンス