弁護士谷直樹/医療事件のみを取り扱う法律事務所のブログ

米ジョンズ・ホプキンス病院,婦人科医の患者盗撮で193億円和解

CNN「婦人科医が患者盗撮、8千人と190億円で和解 米病院」(2014年7月22日)は,次のとおり報じました.

「 米ジョンズ・ホプキンス病院の婦人科医が患者を盗撮していたことが発覚し、同病院は21日、1億9000万ドル(約193億円)を支払う内容の和解が成立したと発表した。

患者を盗撮していたのは同病院勤続25年だったニキータ・リービー医師。盗撮の事実を認めて2013年に自殺している。

リービー医師は首にかけていたペン状のカメラで密かに患者を撮影していた疑いが浮上。同僚の通報で問題が発覚し、2013年に解雇された。

警察が自宅を捜索したところ、患者の裸体写真や動画が大量に保存されたサーバーやコンピューターが何台も見つかった。捜査の結果、画像が共有された形跡は見つからなかったと同病院は説明している。

被害に遭った女性は8000人あまりが原告となり、ジョンズ・ホプキンスを相手取って訴えを起こしていた。」


193億円と言っても,8000で割ると,一人あたり237万5000円にすぎません.集団訴訟が容易な米国の訴訟制度が背景にあるのでしょう.
日本でも医師の盗撮事件がありましたが,病院が被害患者に賠償した話はききません.
日本の訴訟制度には,被害者の権利行使を阻む障壁があるように思います.

谷直樹

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by medical-law | 2014-07-22 19:34 | 医療事故・医療裁判