C型肝炎治療薬テラビック投与と死亡との因果関係を否定できない死者が15人
「田辺三菱製薬が販売しているC型肝炎の治療薬を服用した患者の4人に1人に全身の皮膚炎などの重い副作用が起き、2年余りの間に15人が死亡していたことが分かりました。
医師が対象外の患者に薬を処方したケースで重い副作用が起きていて、田辺三菱製薬は「適正に薬を処方するよう情報を提供していきたい」としています。
大阪市に本社がある田辺三菱製薬によりますと、3年前にC型肝炎の治療薬「テラビック」の販売を始め、去年9月までのおよそ2年間に1万1000人余りが服用しましたが、23%に当たる2500人余りに全身の皮膚炎などの重い副作用が起きました。
ことし2月までに合わせて15人が死亡し、いずれも薬の服用との因果関係が否定できないということです。
会社によりますと、処方の対象外とされていた重度の肝硬変などの患者に処方したケースや副作用の兆候を見逃して投薬を続けていたケースで重い副作用が起きていたということです。
「テラビック」はC型肝炎ウイルスの増殖を抑える効果が確認されていますが、治験の段階から重い副作用が高い頻度で起きていたため、処方は肝臓病と皮膚病の専門医がいる医療機関に限定されていました。
さらに、厚生労働省の指示でおととし薬の添付文書が改定され、重い皮膚炎が起きた患者には直ちに専門医の診察を受けさせるよう求めていました。
田辺三菱製薬は「これまでと同様に適正に薬を処方するよう医師や薬剤師に情報を提供していきたい」と話しています。」
テラビックの添付文書に反し,医師が対象外の患者に薬を処方した場合,その医師の過失が推定されます.
問題は,因果関係です.
民事裁判では原告(患者・遺族)に立証責任がありますので,「因果関係が否定できない」では足りず,因果関係が肯定できるところまで立証しなければなりません.
また,田辺三菱製薬については,同社が医師に十分な情報を提供したかも問題になります.同社が死亡者が2年間で15人になるまで死亡の事実を公表しなかった理由は何でしょうか.
谷直樹
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