大垣市の病院,アレルギー歴のある薬を確認せず投与し死亡した事案で示談(報道)
「岐阜県大垣市民病院は25日、今年2月に肺がんで入院中に死亡した女性=当時(85)=に対し、医師がアレルギー歴のある薬を確認せず投与し続けて女性を苦しめ、死期を早めた可能性があるとして、女性の長女に400万円の賠償金を支払うと発表した。
病院によると、昨年7月、肺炎で呼吸器内科に入院した女性に抗菌薬を点滴したところ、体に発疹などが現れたため、電子カルテにアレルギーの疑いがあると登録した。しかし、退院後の今年1月31日、救急で運ばれた女性に、別の医師が同じ薬を1日2回投与。2月2日午後1時ごろ、発疹が出たり呼吸困難の症状が悪化したりしたため、この医師がカルテを確認、アレルギー歴があることに気付いて処置を施したが、午後8時すぎ、女性は死亡した。
同病院は「死因としては肺がんの可能性が大きいが、最期の時間を苦しめてしまった」とすでに長女に謝罪した。電子カルテは、アレルギーの可能性がある薬が登録されていればピンク色に点滅するシステムになっているが、「担当した医師が確認を怠った」としている。
大垣市は9月市議会に関連議案を提出する。」
医師には,投薬に際しアレルギー歴のある薬を確認する注意義務があります.
その確認を怠り,投与し続けたのは,注意義務違反にあたります.
注意意義無違反と2月2日の死亡との因果関係については,肺がんが進行していれば高度の蓋然性があるという立証は困難ですが,少なくとも相当程度の可能性が認められる場合であれば,400万程度の賠償義務が発生するものと考えられます.
谷直樹
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