ノバルティスファーマ,因果関係が否定できない重い副作用両例約2500症例を報告せず,薬事法違反
スイス製薬大手の日本法人ノバルティスファーマは,「白血病治療薬による重い副作用を16症例21件把握しながら国に報告しなかったなどとして、7月に厚労省から改善命令を受けた。この際、販売するすべての薬で同様の報告漏れがなかったかどうか報告するよう指示され、約1万例を調査していた。
その結果、同社が販売する薬との因果関係が否定できない重い副作用症例は少なくとも2579例あった。白血病治療薬など抗がん剤が多く、患者の副作用は腎障害などで、死亡した事例もあったという。
これとは別に自社薬との因果関係を調査中の副作用症例は6118例あるといい、薬事法違反の未報告事案はさらに増える可能性がある。厚労省は9月末までに全ての調査結果を報告するよう指示した。
厚労省によると、製薬会社から報告のある副作用症例は全体で年間およそ4万例。ノバルティスは2013年に複数の症例で約8千件を報告したという。
ノバルティスを巡っては、高血圧症治療薬ディオバンを巡る臨床データ操作事件で、法人としての同社と元社員が薬事法違反(誇大広告)罪で起訴されており、厚労省はこの件でも行政処分を検討している。
大量の副作用症例疑いの未報告について、同社は「深く反省し、再発防止に努める」とのコメントを発表した。」
製薬会社には,死亡やこれまで知られていない副作用は15日以内,そのほかの重い副作用は30日以内に国に報告するよう義務付けられています.薬事法違反の疑いがあります.
そういえば,今週,ノバルティスファーマの医師への不当な便宜供与が「報じられました.
毎日新聞「ノバルティス:学会で医師71人の旅費510万円肩代わり」(2014年8月27日)は,次のとおり報じました.
「製薬会社ノバルティスファーマ(東京)が4月に開催された日本内科学会に出席した医師71人の旅費計約510万円を不当に肩代わりしたとして、業界団体「医療用医薬品製造販売業公正取引協議会」が27日、指導した。製薬会社が学会参加者の旅費を肩代わりすることは、医師への不当な便宜供与に当たるとして規約で禁止されている。
協議会が、学会の旅費肩代わりで指導したのは初めて。
ノ社と協議会によると、ノ社は4月13日に東京で自社製品に関する全国講演会を開催。これに出席することを条件に、同じころ東京で開催された日本内科学会総会にも参加した医師71人の宿泊費と交通費を負担した。
ノ社のダーク・コッシャ社長は「深くおわびする。二度と起こすことがないよう、再発防止を徹底したい」とのコメントを発表した。ノ社は、降圧剤バルサルタン(商品名ディオバン)の臨床試験を巡る虚偽広告事件で、元社員とともに薬事法違反(虚偽広告)で起訴されている。【河内敏康】」
何れも,法令遵守の姿勢を欠くのは,同社の企業体質なのでしょうか.
【追記】
ノバルティスは,2014年10月1日「副作用症例の社内調査に関する報告について」で「7月31日に、国から改善命令を受けた副作用報告遅延について、薬事法の副作用要件に従い、社内で集められた情報の範囲で重篤かつ因果関係が否定できないとしてPMDAに報告したものは、3,878症例でした。」と発表しました.
谷直樹
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