鳥取県の病院,術後失血性ショックによる低酸素脳症で死亡した事案で提訴される(報道)
「県立厚生病院(倉吉市東昭和町)で2011年10月に心臓病の手術を受けた女性(当時79歳)が術後に失血性ショックによる低酸素脳症で死亡したのは医療過誤だったとして、遺族が同病院と県に4584万円の損害賠償を求める訴訟を鳥取地裁に起こした。
提訴は8月22日付。訴状によると、女性は11年10月13日に狭くなった冠動脈を内側から広げる手術を受けた際、血管に穴が開...」
「術後の失血性ショック→低酸素脳症→死亡」は,ときどきありますが,それぞれの事案において回避可能だったか,予見可能だったか等が問題になります.
なお,最高裁の統計によると,平成23年769件,平成24年786件,平成25年809件と医事事件の提訴件数は増加傾向にあります.平均審理期間は,平成23年25.1月,平成24年24.5月,平成25年23.3と年々短縮されています.
和解率は,平成23年50.7%,平成24年51.3%,平成25年49.6%と,ほぼ半数が裁判上の和解で終わっています.判決率は,平成23年36.7%,平成24年37.8%,平成25年38.0%と微増しています.
一審判決の認容率は,平成23年25.4%,平成24年22.6%,平成25年24.7%と推移しています.
【追記】
日本海新聞「死亡女性の遺族主張棄却 厚生病院医師の過失認めず」2019年10月26日は次のとおり報じました.
「鳥取県立厚生病院(倉吉市)で心臓手術を受けた県内の女性=当時(79)=が死亡したのは、担当医の判断ミスなどが原因だとして、女性の遺族が同病院を運営する県と担当医師に対し、慰謝料など約4600万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、鳥取地裁であった。大野祐輔裁判長は担当医師の過失を認めず、原告の訴えを棄却した。」
谷直樹
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