医療安全情報No.95セントラルモニタの送信機の電池切れ
「セントラルモニタの送信機の電池が切れていたため、生体情報がセントラルモニタに送信されず、患者の状態の変化に気付かなかった事例が4件報告されています(集計期間:2011年1月1日~2014年8月31日)」とのことです.
「事 例 1
朝、看護師は患者の血糖測定を実施し、会話を交わした。その際、心電図の送信機の電池表示は確認しなかった。1時間後に訪室した際に、顔色不良、口角から唾液様の流出液を認め、血圧測定不能であった。セントラルモニタの履歴を確認したところ、訪室する50分前より電波切れであったことが分かった。送信機の電池残量が少なくなると、セントラルモニタ画面に『電池交換』と表示され、アラーム音が「ポーン・・・」と鳴る。さらに電池切れになると、セントラルモニタ画面に『電波切れ』と表示され、送信機から生体情報が届かなくなる。モニタリングされていなかった間、夜勤看護師全員が他の患者のケアを行っており、電波切れに気付かなかった。
事 例 2
夜間、看護師は患者に睡眠導入剤を投与後、呼吸抑制が生じるおそれがあったため、SpO2の値や呼吸状態に注意していた。しかし、送信機の電池の残量表示は確認していなかった。
数時間後、看護師がセントラルモニタの画面で送信機の『電波切れ』の表示に気付き訪室
したところ、患者の呼吸が停止していた。『電池交換』の表示がされる際、セントラルモニタから20秒に1回「ポーン・・・」というアラーム音が鳴るが気付かず、『電波切れ』の表示にも気付くのが遅れた。」
電池切れはこのように致命的な事態を生じます.定期的な電池交換,電池切れへの注意はもちろんですが,このように,表示・ポーンアラーム音に気づかない状況は,それ以外の表示・アラームにも気がつかないことにもつながりますので,抜本的な対応が必要と思います.
谷直樹
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